そよ風 (No.408)

東方幸男

2019.05.07

黒ショウガ

黒ショウガは、黒ウコンとも呼ばれ原産地タイではクラチャイダムと称され、1000年以上前から栽培されているそうです。強力な抗酸化作用があることで知られ、アンチエイジング、滋養強壮、抗疲労、美容、美肌、ダイエット、抗ウイルス、消化器病、糖尿病にも良いとされ、様々な病気や疾患の改善に役立つ万能薬として重宝に使われているようです。


黒ショウガは、土壌の温度が25℃以上の土地でないと栽培出来ないそうで、亜熱帯気候の土地でないと育成が困難といわれています。根を分割して深さ15センチメートルの深さの穴に植え付けるのですが、発芽率は7から8割で、発芽するまでも長く、発芽後に雨期を迎えるタイでは、浸水すると根腐れしてしまい収穫できないことが少なくない、栽培条件の難しい植物だそうです。


日本では亜熱帯地域になるのでしょうか、沖縄で栽培されているようですが、供給が少なく貴重な植物になっているのです。
薬用人参もそうですが、連作はできず、数年同じ畑での栽培は不可能だと指摘されています。これはアレロパシー(多感作用)といわれる植物の生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出するため、植物の生育に悪影響を及ぼすのです。


黒ショウガにも、このアレロパシーがあり、親世代の放出物質が次世代の植物に影響を及ぼすのです。アレロケミカルの放出を抑える栽培方法が特許になっています。
特許第5501335号「黒ショウガの栽培方法」です。黒ショウガを培地に植えて、幼苗の栽培環境の温度と光を調整するのです。栽培環境を20から25℃に保ち、光の合成光量子密度を25から35μmoℓ・m⁻²・sec⁻¹の範囲で調整するのです。


こうした合成光量子密度は、ブラインドの開け閉めで調整もできるといいますが、現在は植物工場が全国的に実用化されており、白熱灯、蛍光灯、LEDなどの照明で、木目細かい制御が可能なのでしょう。露地栽培では8か月かかっていたのですが、4か月で育成出来るようになったとの報告もあります。

 
先に述べたタイやラオスなどで伝承医学の健康食品として色々な効能がある黒ショウガですが、特にポリフェノールの体内への吸収を効率よく行うことが出来ないで、経口で摂取した場合体内に吸収しにくかったそうです。


こうした黒ショウガの有効成分の体内吸収性を高める発明があります。特許第5569848号「黒ショウガ成分含有組成物」です。
この発明では。黒ショウガ成分を含んだ粒子を基材として、その表面の一部または全部をナタネ油あるいはパーム油を含むコート剤で被覆するという発明です。


黒ショウガを巡り、こうした研究開発が進むことで、幾多の発明が出てきて、もっと我々にも手軽に求めることが出来る安価な食品、商品が市場に出回ると良いのですが,まだまだ高価珍重なモノの域を出ていない気がします。

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