そよ風 (No.438)

東方幸男

2020.08.03

除菌剤

コロナウイルスの感染が収まらない状況が、まだ未だ全世界的に続いています。
感染や抗体検査方法の簡略な方法が実用化されています。さらに抗ウイルス薬の提案や治験が全世界で広げられ、ワクチンの開発はハイスピードで進んでいます。

 

ひと頃はマスクの品薄が続き、中国偏重のマスク製造体制が見直されるに至り、電子機器などの製造体制再構築にまで輪が広がっています。大量生産で一極集中の廉価追求から、複数の製造拠点、分散で供給リスク回避の波紋を広げています。
マスクだけでなく、殺菌剤や消毒剤が品薄状態になり、入手困難な状況が続きました。

 

コロナ騒ぎの前から世の中では、食中毒予防の観点から衛生状態を良くするために、様々な殺菌剤あるいは除菌剤が使用されておりました。今まで食品を扱う業者や工場、衛生管理が求められるレストラン、理髪店などのサービス業では日常的に使われていた商品が、一般家庭でも使われ、普及することになり、一層除菌剤の品薄を増長しました。

 

中でもケーキ屋さんなどで使われていた消毒剤は、食品に噴霧しても安全と家庭にまで拡大されて来ていましたが、これが突然の用途拡大(手指消毒など)で、メーカー在庫がなくなる騒ぎにまでなりました。

 

メーカーによると、食品に使われるエチルアルコールを成分とするアルコール除菌剤が知られていましたが、アルコール除菌剤は、食品などに直接噴霧、塗布した際、対象物に付着したカビ等の雑菌を死滅、除去することができるのですが、アルコールが飛散・蒸発した後は汚染がはじまり、抗菌、抗ウイルス性を保持できなかったのです。その欠点を補うために有機酸などの別の抗菌剤を添加したものも登場しましたが、添加成分が付着することで、その添加物により食品の風味を損なうなどの欠点があったのです。

 

このために研究・開発が進み、新しい除菌法が発明されました。お菓子などに添加される洋酒や様々な添加剤を製造販売していた酒造メーカーの開発したアルコール除菌剤を使った食品除菌方法です。
2013年に特許化された、特許第5281808号「抗菌持続性及び抗ウイルス性を付与する、食品用アルコール除菌剤を用いた食品の除菌方法」です。お茶由来のカテキン成分及びグリシンにより、カテキン及びグリシンが有する抗菌性、抗ウイルス性を利用し、アルコールによる瞬間的な殺菌処理後、アルコールが飛散・蒸発した後にも、対象物表面に残存するカテキン及びグリシンによって雑菌、ウイルスの付着増殖による汚染を防ぐようにしたものです。

 

この食品用アルコール除菌剤を直接食品に噴霧するときには、食品表面の細菌類を直ちに殺菌する効果があるだけではなく、その中に含有されるカテキンを含む茶抽出物に抗菌作用があり、その抗菌作用が持続するのです。さらに空中の細菌やカビ類が食品上に落下しても、その抗菌作用によりその繁殖を阻止することができます。長期に食品を安全に保管することができ、風味、性状に影響せず、殺菌効果を持続するといいます。本来は食品の除菌でしたが、最近では家庭での手指消毒にも用途が広っています。

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