コラム

骨折治療

妹が小学生の乗っていた自転車に衝突され転倒し、腕の骨を二本折ってしまう事故に遭遇しました。
歩道を走る自転車が多く猛烈なスピードで来ると、気づく前に追突する恐れがあり、
いつも危険だなと思っていましたが、身近で現実のことになってしまいました。

橈骨(とうこつ)という腕に二本ある骨が折れて、皮膚を破り出てきそうになるような大怪我でした。
近年のお医者さん不足で、しかも二人掛かりで手術をしなければならないということで、
だいぶ待たされましたが無事手術を終えることができました。

骨折の治療には、まずはギプスなどで外部から固定して骨折部を接合して、
骨折部分の癒合(ゆごう)を待つ方法があります。
骨折がひどく骨同士をうまく接合できない場合には、内固定法と言うそうですが、
切開手術をして骨にビスなどでプレートを固定したり、ワイヤーで締結する方法があるのです。
妹の場合、複雑に骨折していたようで手術をしてプレートを挿入して固定する方法がとられました。
骨の癒合が完成し、ある程度動かしても大丈夫な状況になったら、
改めて手術をして固定していたプレートなどを取り出すことになるのです。

骨の癒合を促進するためには、骨芽細胞(こつがさいぼう)の動きを活発にして、癒合を図るための対策が行われます。

一般的には、骨を作る栄養素を含む食事が推奨されます。
骨格はタンパク質ですが、タンパク質の間にカルシウムが沈着して骨が形成されますので、
カルシウムを腸から効率よく吸収するためのビタミンDと、
吸収したカルシウムを沈着するためにビタミンKを摂ることが求められます。
またタンパク質の合成を促進するためにはビタミンCも必要になるそうです。

睡眠も大切で、深い眠りのノンレム睡眠の時に、脳からの成長ホルモンが出て、細胞を活性化させるのです。
バランスの取れた食事と、質の良い睡眠が骨折の治癒には大切なんだそうです。

最近の動きとしては、骨折した部分に、微弱な超音波を断続的に当てる治療促進法が実施されています。
超音波の振動で、骨芽細胞が活性化されて治療期間が短くなることが証明されたのです。
この超音波治療器の使用は、骨折から3週間以内に開始すれば、健康保険の適用がなされるため、
治療器をレンタルで借りて治療する医療機関が増えているのです。

妹が超音波治療機器を使うことになって、骨折の治療に超音波が役立つことを初めて聞いたので、
特許を調べてみました。
20年以上前から実用化されていたようで、
近頃は超音波の治療促進に必要な治療剤が多く出願されています。

超音波治療の先駆的な時代に権利化された特許で、私が気になった特許があります。
骨折した骨に磁性体を取り付け、磁性体に外部から螺旋状に巻き付けたコイルに電流を流し、
相互の磁性体の吸引力を発生させて、骨の癒合を図る装置です。
骨にネジなどで止めるワイヤーやプレートは使用しないので、
感染症のリスクも軽減され、磁力を発生する電流を変化させることで、
超音波の変化を加えることもでき、より一層骨の癒合を促進させることができるアイデアです。

特許第4328234号「創外固定器」です。2024年に権利が満了しました。

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