フレイル予防
団塊の世代と言われた働き盛りの象徴だった人々が、65歳以上の高齢者の仲間入りをしています。
高齢者が人口の3割を超える事態となり、日本は超高齢社会に突入したといわれています。
人生100年時代ともいわれ、健康を維持していかないと、日本の医療や介護事情に大きな課題をもたらします。
人間は40歳代を迎えると脳の萎縮が始まり、他にも様々な身体的な機能が衰えます。
まだ若いと思っていても近くのものが見えにくくなる老眼といわれる症状が現われたり、何となく物覚えが悪くなるなど何らかの老化が始まります。
これらは歳を重ねることで現れる現象で必ずしも病気とは言えません。
私も後期高齢者の仲間入りをして久しいですが、どことなく身体の異常を覚えてお医者さんに行っても、ほとんどが加齢による自然の流れでしょうと言われます。
どうしても気になるなら症状を軽減する薬を出しましょうか、と問われる機会が多くなっています。
このような状況を受け入れるのが自然なのでしょうが、加齢への対処法がないのかそれとなく気にしていました。
そうした折に、ある会合で「フレイル」という言葉を耳にしました。
フレイルは活力低下とか、虚弱になることを言います。
つまり、健康な状態と、病気などで介護を必要とする状態の中間状態です。
40歳を過ぎると誰でも身体の衰えを感じてしまう状況から少しでも、要介護や要支援にならないように生活習慣を考慮してフレイルを予防しようとする取り組みが行政でも盛んにおこなわれています。
未病対策とか健康年齢維持のために、老化防止のための様々な取り組みがなされているのです。
実は私は、50歳代に入り、今までの経験を後進の方々にお話しする機会が多くなりました。
それまでデスクワークで、ほとんど話などしない生活スタイルだったので、皆さんが聞きやすい発声ができていません。
何とかしないといけないと発声方法を学ぶボイストレーニングに通いだしました。
そこでは、正しい発声法を得るために、身体の姿勢や口の中の舌の位置とか、息の通り道を確保することを教えられます。
先ずは柔軟体操を行います。
さらには発声法として、ピアノに合わせて声を出します。
胸に響く低い音から頭の中を通り抜けるような高音まで発声し、毎回3オクターブの声を出せるまでチャレンジします。
そして毎月一曲新しい歌を歌えるようになる歌い方の指導が行われます。
こうしたトレーニングは、身体全体を鍛えることになり、さらには新しい曲を覚えることは脳の刺激になり、まさにフレイルの予防につながっていることに気づきました。
ボイストレーニングのメンバーとカラオケをやったり楽しく過ごすこともボケ防止、健康維持につながっていることを実感しています。
最近では、せっかく学んだ歌を聴いてもらうためと、フレイル予防を目標にしたボランティア活動を数人のメンバーと共にボイトレの先生を加えて実施して、高齢者施設を回ることが増えています。
高齢者施設に行くと、通信カラオケを導入するところが多くみられ、高齢者向けのフレイル予防でしょうか、皆んなでカラオケを楽しむサービスが提供されています。
特許情報を見ると、カラオケと健康管理をテーマにした特許が出ています。
特許第6214436号「カラオケシステム」(第一興商)には、利用者の生体情報からストレス状況を把握して、歌い始める前と歌唱後のストレス解消値を演算して、アドバイスを行うシステムが権利化されています。