心臓病
2018年12月に成立した脳卒中・循環器病対策基本法ってご存じでしょうか?
正式な名称は「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」
です。要介護状態にならない、健康で自立した生活ができる年齢を健康寿命というそうで、男性は71.2歳(平均寿命は80.2歳)、女性は74.2歳(平均寿命86.6歳)です。
健康寿命を延ばす対策を促進する法律です。
高齢者社会で健康寿命を縮めるのは、寝たきりと認知症が主な要因だそうです。寝たきりになる最大の原因は脳卒中で、さらに認知症の三分の一は脳卒中が原因だといいます。脳卒中は60%以上が脳梗塞でほとんど自覚症状がない血管の老化に起因したモノが多いといわれています。脳梗塞は脳の血管に血栓が詰まってしまうのですが、その原因となる血栓が心臓で発生して脳に行って悪さをする心原性脳梗塞で、心臓の不整脈の一種である心房細動の症状が出てきて、これは高齢化するほど多くなるといいます。発病からの時間との勝負で、薬で治せない時間が経過してしまった場合には脳の血栓を取り除く手術が有効だそうです。
心臓の不整脈を早めに見つけ治療をすることが大切なのです。心房細動の手術は足の付け根からカテーテルを血管の中に通し、心房細動を発生させている血管内部を高周波または冷凍で焼いてしまうアブレーション手術が根治に有効になります。
実は私は、カテーテルアブレーション手術をして、血管の壁に脂肪などの固まり(プラーク)を100か所も焼いたのです。現在も経過観察中ですが、手術は成功して、脳卒中や認知症になる確率は減っているはずです。
心房細動は、心電図を見ることで見つけることができますが、たった数分の心電図測定で見つかる確率は低いといいます。私の場合にはギランバレー症候群という病気に見舞われ、数週間の入院中に24時間心電計を装着していて、不整脈が日に何度となく発生して、看護師さんがそのたびに飛んできて大丈夫かと聞かれましたが、自覚症状は全く感じませんでした。薬を飲みましたが全身の発疹に襲われてしまいました。精密検査の結果、手術を受けることにしました。
この24時間心電計は何か所も電極を取り付け測定するのですが、線もごちゃごちゃと繋がり結構煩わしいモノです。最近は一週間装着することができる貼付けタイプも登場しましたが、それでも不整脈を見つけることができないこともあるそうです。
そこで登場したのが3年間測定できるレコーダです。数センチの大きさの心電計を心臓の斜め上に埋め込みます。表面に埋め込むので、傷も小さくて済みます。この装置は不整脈の様々な種類の頻脈、徐脈、心停止などのエピソードを検出して、各症状に応じ6分から10分間、必要によりすべての記録データを病院に設置したモニタに送信します。関連発明は特開2019-166342号「植え込み型モニタとプログラマとを備えるシステム及び記憶又は送信又は検出を構成するための方法」です。長期にわたるモニタで心臓の様々な疾患を途切れなく監視記録できる優れモノです。