コラム

iPS細胞

2012年のノーベル賞生理学・医学賞に、iPS細胞を世界で初めて作製した京都大学の山中伸弥教授とジョン・ガードンケンブリッジ大学名誉教授に授与されることが決まりました。

日本人のこの部門での受賞は25年ぶりとのことで、日本中が湧きあがっています。

iPS細胞は、人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell)の略号で、動物の皮膚などの細胞から、あらゆる細胞や臓器などの組織を成長させる性質を持ち、細胞の初期状態を表す初期化細胞ともいわれています。

スエーデンのカロリンスカ研究所が発表した授賞理由では「細胞や器官の進化の関する我々の理解に革命を起こした」とまで表現していました。2006 年に山中教授が発表された時には、細胞の源が作製され、どんな細胞や臓器、器官でも作り出すことが出来ると言われました。そんな魔法のような細胞が見つか り、再現できたということは私などの理解を超えて、キツネにつままれたような感触を持ったことを思い出します。

山中教授がiPS細胞のiを小文字で表現したのは、当時大ヒットしたアップルの携帯音楽プレーヤiPodのように、多くの研究者に親しみを持って研 究してもらえるようにとの思いを込めたそうです。現在世界各国の多くの機関や研究者が、様々な応用研究を行っていることから、命名は大成功だったともいえ ましょう。

iPS細胞の普及や知的財産のライセンスを行っている、iPSアカデミアジャパン株式会社が商標登録第5237089号として細胞や薬剤で図形を権利化しています。

iPS細胞の関係の特許権化は、成果発表の当初から着実に行われ、多くの優秀な知的財産関係者が動員され、権利化を図っていることは特筆すべきこと だと思います。山中教授らは初めから、知的財産をしっかりと確立することで、欧米の企業に技術を独占されることの無いようにしたいということで、世界各国 で権利化を進めています。今後盛んに応用研究が出てくることを想定し、クロスライセンスを有利に進めるためにも特許の権利化が必須と考えられていたそうで す。

iPS細胞の初めての発明は2005年12月13日に出願されました。基本的な核初期化因子の細胞、その製造方法と着実に権利化を進めています。

体細胞に4種類の遺伝子を導入するだけで、あらゆる細胞に変化させることに成功した当初は、あまりにも単純なので研究者間でも緘口令をしき、他の方 法を含め実験検証し、確認するまでは他言無用としていたそうです。この4種類の遺伝子を導入することで新たな細胞を作製する方法が特許第4183742号として登録になっています。また特許第4411363号では4種の遺伝子を導入した遺伝子から誘導多能性細胞を分化させる製造方法が権利化されています。特許第4411362号では3種の遺伝子を導入し、塩基性線維芽細胞増殖因子の存在下で培養する技術も権利化されています。

アメリカ特許第8058065号では、4種の遺伝子導入で作られた細胞自体の特許も成立しています。未だ多くの発明が出願されています。これからも楽しみです。

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