鼠退治
最近はあまりお目に掛かりませんが、昔は天井で鼠が追いかけっこをしたり、枕もとでガサガサ・ゴソゴソ・チュウチュウとやかましく安眠を妨害する鼠君がいましたね。我が家でも子供が赤ちゃんの頃には、寝床の周りをガサゴソと鼠が徘徊し、足音を頼りに竹の棒で叩いて捉えたこともあります。
鼠と人間の付き合いは有史以来だそうで、いつの世も鼠に悩まされてきたことには変わりありません。
この鼠に恐怖を与えるという考案があります。
住宅もしくは倉庫などの天井裏に生息する鼠に脅威を与え、これを駆除せんとする防鼠器の構造というもので、名称もずばり「天井用防鼠器」です。
構造は到って簡単、天井にねじ込めるように外側をらせん状にした大きなネジ釘の真ん中に孔を明け、先が尖った鋼鉄製の針を挿入する形のものです。この考案の説明によりますと、「これを天井裏の各所に林立させておけば、鼠は接触して傷害を受け、危惧恐怖の結果、全然天井のこの付近より撤去し、永久に防鼠の目的を達成する」とあります。昭和6年に登録になった実用新案公告第10135号でした。
大阪の大島四郎さんの考案です。
昔の人がいってましたが、世の中で悪いことをすると死後の世界では地獄へ行くとされ、地獄には色々な仕掛けがあって人を苦しめるようです。その中に針の山や剣の山というのがあるそうですが、そんな所でしょうか。
動物園に行くと、全身に針を刺した様な鼠がいますね。外敵が来ると丸くなって針を立て、身を防ぐのだそうですが、相手がこの「針ねずみ」だったら、どちらが強いのかな・・・? もっともこの考案のヒントは、剣山よりも針ねずみだったかも知れませんね。
この考案は,鼠を近づけないようにする鼠には優しいアイデアですが、ねずみ算といわれるように、鼠は繁殖力も強く、狭いところにも出没しますので、根こそぎ対峙しなくてはなりません。
平成の最後の年に登録になった発明では、鼠を感電死させるアイデアが登録になっています。
特許第6495523号「電撃殺鼠器」です。コの字型の複数の電極を入れ子状に配置して、
7000ボルトの高電圧をパルスとして間欠的に与えます。
電極の奥に入れておいた餌の匂いに釣られて入ってきた鼠に電撃を与え殺傷してしまうのです。鼠は毛で覆われていますので、電極に触れて感電するところは足の裏です。一つの足に触れてビリっと来ればその場で後退りで退散してしまう恐れがあります。そこでこの発明のポイントは、一つの足で電極を踏んでもインパルス電圧での衝撃が伝わらないように、二つの電極の間に電極より上に出た障害部を設けます。これで,電極の間を二本以上の足で踏むようになり、首尾よく電気が鼠の身体を伝わり、殺傷できるというのです。電源は電池だし何処にも設置でき、電極はステンレスなので洗って再利用が出来るそうです。