コラム

鹿児島から世界に羽ばたくベンチャー企業を訪問

2010年の年末に、鹿児島県南さつま市から世界に発進している株式会社エルム社(宮原隆和社長)を訪問し、研究開発に特化したベンチャー企業の戦略などについて宮原社長から取材した。

同社は、光ディスクを修復する装置を発明して一躍世界に羽ばたいて注目を集めている。この装置は、磨耗したり傷ついたDVD、CDなどを、過熱を防止しながら短時間で修復する自動装置である。

光ディスクを繰り返し使用するレンタルビデオ店や図書館などで利用されている。いまでは世界32カ国で使用されており、この装置のシェアは世界トップである。

短 時間で自動的に修復する高性能装置を開発したのは、2001年である。そのころDVD、CDを修復する装置は、ほとんど手動で行うような装置であり、アメ リカの企業が世界に売っていた。宮原社長は、これを高機能自動装置として開発し、国内で売り出したところ非常に好評だった。

そこで世界に打って出ても十分に勝負できると考えた。そのころ手動に近いローテクの修復機しかなかったからである。

2002年1月、アメリカのラスベガスで開催されたCES( Consumer Electronics Show)に出展し、市場の評価を確かめることにした。

その際、当時、この種装置のトップシェアを誇っていたアメリカ企業のすぐ前のブースを希望し、顧客がライバル社の製品と自社の新型装置をすぐに比較できるようにした。

この戦略が当たった。勝負は一瞬のうちに決着した。展示してすぐに当のライバル企業がエルム社の優秀性を認め、販売代理店になりたいと申し入れてきた。これで自信を深めた宮原社長は、この装置の製造・販売のビジネスモデルを構築し、世界中で販売することになる。

毎 日20万枚の光ディスクが同社の装置を使い世界中で修理されており、環境問題の観点からも貢献できる技術であるという。写真にある修理装置は同時に複数の 光ディスクの鏡面を研磨することができるので、大量で高速修復ができる。500枚の光ディスクを数時間で修復、修復用水をリサイクルできるので環境に配慮 した装置になっている。

同社は研究開発に特化した企業であり、自社で工場は持たないし販売もしない。いま開発中で最も有望なものはLED照明である。写真は開発したLEDを説明する宮原社長だ。

 

「エコノライト」という商標も登録しており、ロビーやオフィスのダウンライト用の調光対応LED電球などを開発している。
消費電力は90W白熱電球の10%以下、100W相当電球型蛍光灯の40%以下であり、40,000時間の長寿命が見込まれている。交換用電球の購入費用、交換にかかる手間や人件費の大幅な削減が可能になっている。

また90Wの白熱電球をエコノライトに換えると、5年間でタンクローリー約40台分以上に相当する二酸化炭素削減効果が期待できるという。

ダウンライト用のエコノライトは、電球型蛍光灯や旧来のLEDライトが苦手にしていた調光に対応しているのが特長だ。ゼロまで明るさをコントロールできる。

宮原社長は「どのような企業からも下請けはしない。世界レベルの技術の製品を出す。鹿児島県から世界に発信する。この3つを目標にしている」と語っている。

鹿児島発の世界的なベンチャー企業に育つことを期待する。

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