電話サービス
電話といえば、現在の生活に欠かせない道具の一つになっています。1876年にアメリカで発明された電話機は翌年には日本に輸入されたそうですから、便利なものは早く伝わるものですね。発明された年にアメリカに留学していた金子堅太郎、伊沢修二のお二人がベルのところに出かけて、日本語でも通じるかテストしたという話も伝わっています。ベルの発明した電話機で話した最初の外国語は日本語だったというのです。
昔は電話をかけるといえば、交換手が介在して、ジャックを差し込むことで線を繋ぐ作業をしていました。電話交換が始まったのは、アメリカが最初で1877年です。日本では東京と横浜で1890年(明治23年)に電話交換サービスが開始されました。当時の加入者は東京が155名、横浜が42名だったとの記録があります。
日本で自動交換機が導入されたのは、1926年(大正15年)でした。当時は機械的な交換機で、ガチャ、ガチャと交換接続が行われていました。現在は交換機が電子化されて、ほとんどの機能がコンピュータと同じようにソフトウェアで組まれています。
このような電子交換機の発達とともに色々なサービスが行われています。便利な機能がたくさんあり、上げたらきりがありませんが、こうしたサービスを特許にしているケースが少なくありません。
ベルの電話機の発明をサービスする会社として始まったアメリカのAT&Tは、電話の草分け時代からず~と電話事業を進めてきた企業です。このAT&Tが電話交換機にまつわる様々な機能を特許化しております。1990年にたくさんの特許を取得して新聞などで話題になりました。
この中の一つが電話番号案内サービスの特許です。名前や住所がわかっているところの電話番号を知りたいために、電話局に電話することで、電話番号を教えてもらえるサービスの進化系です。
こうしたサービスはかなり前から行われております。昔はオペレータが住所や氏名別の電話帳をめくって探し、番号を通知していましたから、電話サービスが始まった当初から何らかの形で存在していました。
ところが1990年に新たなサービスの特許が成立したのです。電話番号案内サービスの本来の目的は、ところ番地や名前しか分らないところに電話を掛けることが目的であるということで、番号を案内するとともに電話を掛けてあげるサービスです。1990年9月25日にアメリカ特許第4959855号として成立しました。問い合わせ相手局を直接呼び出す支援処理です。
この特許が成立した1990年は、今まで無料であった電話番号案内サービスが有料になった年でもあり奇遇です。
日本ではNTT東、西日本が2007年7月から番号案内サービスの付加サービスとして有料で運用をしています。しかし、実際の利用が少ないのでしょうか? 2015年7月で、他のオペレータが介在するサービスとともに終了が予定されています。