コラム

賃金

年明けから少し陰気な話題で恐縮ですが、昨年末の仲間の忘年会で話題になった賃金の話です。

実は中堅の弁理士事務所の所長さん、リタイヤした知財部門長、ベテラン技術者などが集まって
小規模な年忘れをする会を毎年開いているのです。
昔話に花が咲いて喧々諤々、年寄りが多いため、昔は良かったなどと話しが出るのは日常的なのです。

皆さん自分の子供の世代の賃金があまりにも上がらないので、気の毒だとか、経営している立場では、
弁理士事務所などでは経費の大半が人件費になるため助かるが、これで良いのかインセンティブが
働かなくなるのが心配などといった意見でした。
2017年10月6日付けの社会保障審議会年金部会の「年金財政における経済前提に関する専門委員会」の
資料に、バブル崩壊後の直近の20年間の各種の動向データがあったのです。経済成長率と
賃金上昇率のデータが目につきました。

当初ご紹介した集まりでの話題のように賃金の代表である現金給与の総額は±2%程度で凸凹で、
名目賃金は上がっても実質賃金はマイナス。経済成長率はアベノミックスの施策もあるのでしょうが、
ここ数年1%づつ右肩上がりに上昇しているのです。

何で経済成長率に賃金が伴わないのでしょうか。色々な要素が複雑に絡んで、結論は私のような素人には
明確ではないです。デフレの要素もあるでしょうが、最近の労働時間はどちらかというと減少傾向であり、
一人当たりの賃金指数は1995年と変わりがないというデータでした。
つまり20年間も変わらないというのです。
これでは、日本全体が元気になる訳はありません。やはり労働の対価である賃金が少しでも上がり、
多少なりとも余裕を持てる生活が送れないと元気が出る筈がありません。

私なんかは暢気なもので、この20年は定年後の時期と重なるものですから、賃金の上昇どころか
減少は当たり前と心得ていたのです。これ等のデータを見る限り、私が現役でしたら、やる気は
全く失せていたと思います。

2010年以降は、国内総生産(GDP)の伸びの賃金の上昇が伴わないのです。
特に2000年以降は、労働分配率が低迷し、資本分配率が上昇しているのです。会社が内部保留に
努める傾向が顕著になってきています。

さて、こんな状況の日本全体の動きをダイナミックに変化させることはできないものでしょうか。
本業以外に、アルバイトを会社として認めさせる動きがあちこちで出てきていますが、そうした取り組みが
真っ当な施策ですかね。アルバイトに精を出して本業が疎かにならない場合に限るなんて言ってます。
そんな器用な人は多くはないでしょう。

ここは知恵を絞って、何か新しいビジネスやサービスを、夫々の本業で良く考えて見ませんか?
少し先の社会的な要求や希望を満たす、時代先取りの商品開発が不可欠だと思うのです。
ニーズ先取りを心掛け、アイデアで勝負、これで次の20年に飛躍を!

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