コラム

調査の観点

あるベテランのサーチャーさんの話です。この人、以前は大手化学メーカで、現在は著名な調査機関に登録されている調査スタッフとして仕事をしています。

こ の方には、これまでも調査機関を通して調査をお願いしてきた経緯がありますが、大雑把な技術全体の技術動向の調査は比較的良いのですが、技術テーマを絞っ ての調査となると少なからず疑問を招く調査方法というか検索式の立て方が目立ち、何度か修正をお願いして、何とかこなして頂いているのが実情です。

調 査の検索式の立て方には、個人的なアプローチがありますので、こうしたベテランのサーチャーさんには、ご自分の流儀を尊重して気持ちよく仕事をしてもらう 方が結果としては良いのですが、個性に頼ることは時として、自らに優しく仕事をし易いようにしてしまう恐れがあります。これは時間と掛けられるお金との相 談になりますので、ある時は許されても、時にはとんでもない結果を招いてしまうことにもなります。

調 査のアプローチとして、技術用語や特許分類を駆使して、対話型の検索を重ね、検索結果を調査テーマに即しているか確認しながら、なるべく検索式だけでテー マに近い集合を集めてくるアプローチです。これは調査テーマをしっかり理解し、そのテーマに関係した技術用語が実際のデータベース上でどのように使われて いるか、どのような表現がなされているかを何回も検査式を立てながら確認し、なるべくノイズの少ない検索集合を求めて行く方法です。特許分類についても実 際にどの程度しっかりと付与されているかを確認しながら絞り込んでゆくのです。調査テーマの技術内容や求める情報の認識が依頼者の意図をしっかり掴み、検 索システムであるコンピュータと対話してゆくことが重要になります。

一 方、検索式としてはなるべく漏れがないように、必ず調査テーマに該当する技術を落とさないようにと技術用語にしても、分類にしてもちょっと大きめに採り、 検索結果である集合を集めた後は実際に公報なり、抄録なりを目で見て確認して絞り込んでゆく方法です。検索式はあまり細かい用語や分類の指定をしない傾向 があります。

先 に登場したサーチャーさんは、どちらかというとこの後者のアプローチで今まで仕事をしてきました。私は力ずくの目視調査と嫌味を言いますが、こうしたアプ ローチは時として問題を起こします。検索式を立てるのは比較的に楽なのですが、目視が大変で検索集合は数百件程度にしないと情報を読み込む手間ばかり掛か り時間も取られます。

そ こで、窮余の策として目視できる件数まで検索式で絞ってしまう傾向があるのです。結果として、肝心なものが落ちてしまう事になりかねません。これでは検索 で漏れがあるでしょうと指摘をすると、今回与えられた時間とお金で調査するためには、このくらいの件数に絞らないと目視調査ができないと主張するのです。 検索をもっと小まめに対話型でやって下さいと用語の使い方をヒントとして伝えますが、テーマより目視可能な件数、つまり自らがやり易い集合に絞り、大きな 漏れには意を解さないのです。

調査テーマにより、検索のアプローチを変えるのはそんなに難しいのでしょうか?

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