コラム

菓子頼み

2月は高校や大学入試試験の多い月で、受験生を抱えている家は、どちらもピリピリしていることでしょう。受験生のみならず家族で風邪を引かないように、インフルエンザなどに罹らないようにと、試験日に体調を崩さないように気をつけています。

受験当日にインフルエンザになってしまうと、学校によっては別室で受験できるそうですが、発熱状態ではまともに実力が出しきれないこともあるでしょう。ニュースでは来春からは高校入試は追試ができるようにするとの通達が、文部科学省から出されたそうです。学校側も準備が大変でどこまで対処できるか心配の声も上がっています。

入学試験は、日常の授業の成績と当日のテストの結果が合否を左右することは当然ですが、お正月以降特に1月は、各地の神社や仏閣での合格祈願や、絵馬によるお願い事が数多く寄せられます。正に、実力以外に神にすがる神頼みが各所で行われます。

学問の神様として、九州の大宰府天満宮に祭られている菅原道真公が著名ですが、平安時代の貴族で、幼少の頃、5歳(幼名は阿呼)で和歌に秀で読んだ和歌があります。

「梅の花 紅の色にも似たるかな 阿呼が頬にもつけたくぞある」

学者・政治家として複数の天皇に仕え、多くの功績を残されました。晩年は政争に巻き込まれ、大宰府に左遷され謹慎していた折に、亡くなられたのだそうです。

死後天変地異が多発して、祟りではないかとのことで、神社に祭られ天満天神としての信仰の対象になったとの説もあるが、人柄や業績を慕い、書道の神様としての信仰につながったそうです。江戸時代には、学問・手習いの神様として崇拝され、大宰府をはじめ、全国に天満宮が祭られ、学問の神様として多くの信仰を得ているのです。

昔から、様々な神様や仏様にすがり、お願いすることは何かと多いのですが、受験シーズンの菅原道真天満天神信仰は、多くの人々に崇められています。幼少の時に読んだ和歌に因んだのか、天満宮には梅が咲き、この時期は特に賑わうようです。

ところが最近は、神様に頼るだけでなく、お菓子に複数の合格祈願の品物が登場してきています。「神頼み」ならぬ「菓子頼み」とでもいえましょうか。

ネスレのチョコレートのお菓子「KITKAT」(キットカット)商標登録第5746464号は、九州地方の「きっと勝っと」に似ているとのことで評判になり、「頑張る受験生応援!」と銘打った合格祈願が作られ、個別の包装には「大丈夫心配ないよ」などの応援メッセージが入った商品が発売されています。親から子供に郵送され包装外箱を組み立てるとスピーカになり、リラックスを誘うモノまで登場しています。

ロッテの「TOPPA」(商標登録第5114240号)は、正に受験突破、めざせ合格!バージョンが出ています。

明治の「KARLカール」(商標登録第252350号)は、ウカール受かる(合格する)に因んで、合格祈願版が出ています。同じ明治で「ハイレモン」変えて「ハイレルモン」(商標登録第4921672号)を、この時期に発売しています。他にも数多くのメーカから、語呂合わせの合格祈願のお菓子が発売されています。菓子頼み、祈る合格!

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