コラム

自己免疫

人の神経は中枢神経と抹消神経に分かれることは、生物か保健の授業などで学んだことがあるでしょう。
脳と脊髄が中枢神経で、中枢神経から枝分かれして身体の各部位に分布しているのが抹消神経です。
末梢神経は身体の動きを司る運動神経や感覚を伝える感覚神経、さらには自律神経からなっており、
すべての動作や感覚が、脳の働きだけでコントロールされなくても、自律しながら細かな動きや指令が出て、
身体を制御したり、外部の情報を得ながら素早く反応していることは良く知られています。
今話題の人工知能も多くのことを学ぶことで個別の現象に的確に対応することが出来る末端または
分散処理を行える知識の受領と蓄積ができる研究・開発が盛んに行われています。
これも人でいう抹消神経で処理できるルールを持つことで、処理のスピードが上げられるのです。

実は私は昨年11月に、こうした身体の抹消神経に障害を起こす病気になってしまいました。
手や足で触れた感覚がなくなり、神経の伝導にも障害が出て、身体の細部の自律的な活動が
阻害されてしまうのです。身体の調子がおかしいなと、感じてから5日程度で、手足の先がしびれ、
筋力や握力が急速に低下したのです。最終的には寝返りも出来ず、ベッドから起き上がることもできない有様。
移動は車椅子を人に押して貰わなくてはならなかったのです。車椅子の輪を握って動かすことも
出来ませんでした。最後には左手の握力はゼロ、右手は1Kgとほとんどなくなってしまいました。

ただ寝ていても息が苦しくなりました。MRIで脳や首の断面を見る検査をしたり、筋電図検査や血液検査、
さらには髄液を採取しての検査をしたのですが異常値は見られず、医師からは体の急激な衰え方から
自己免疫が悪さして抹消神経に障害が出ているのは明らかだとされました。
高額の医療費がかかり、感染症や不適合、脳血栓などの副作用の危険性がある治療には、
データに現れないため踏み込めなかったのです。最終的には抗ガングリオシド抗体検査の結果陽性となり、
ギラン・バレー症候群と判断されました。

そして、やっとのことで治療に入りましたが、献血で得られる人の貴重な血液を原材料にした
「ヒト免疫グロブリン」を大量に静脈に注入する療法です。100時間を超える点滴を継続して行うのです。
大量の献血に感謝しながら、長時間の点滴を受けました。5日連続の点滴が終わる頃になると、
筋力の低下が止まり、息も楽になりました。
点滴治療に使われた人免疫グロブリンの関係の特許は数多く出ておりましたが、貴重な献血の結果
得られた免疫組成物は長期の保存が難しく、乾燥した製剤が大半でした。これは注射用の蒸留水で
溶解して使わざるを得なかったのですが、即座に投与できず溶解中に製剤を汚染する可能性もあったそうです。
室温での長期保存が可能で扱い易い液状の組成物が発明されていました。
2014年に登録になった特許第5628395号「免疫グロブリン液状組成物」です。
保存安定剤に一定量のグリセリンを含ませる液状製剤です。
こうした発明が出て難病の治療薬の進歩が続いているのです。

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