コラム

米中摩擦

米国のトランプ大統領が、中国を相手に貿易赤字と、知的財産を無断で盗用していると声高に主張しました。
そして中国製品への大幅な関税をかける処置をとり、中国も対抗して米国製品に同じような関税を課す、
泥沼的な貿易摩擦は世界の経済活動に大きな影響を与えていることは連日のニュースで伝わっています。

近々行われる米中の首脳会談で、貿易不均衡の是正は決着することが期待されます。
一方の知的財産を巡る指摘は中国製の通信機器メーカを取り上げ、中継器の途中から情報を収集する出口が見つかったとのことで、情報漏洩、ひいては国防上の情報まで抜き取られる可能性が取り上げられました。確かに通信機器の途中から情報が漏れることは大変なことで、問題の大きさは理解できます。しかしながら中国製の機器がどの程度までシェアが高いかにより収集できる範囲は限定されるとも思えます。しかも知人の中国出身の情報関連の研究をしている大学教授が指摘していましたが、情報機器を扱っているメーカがいくら中国政府の依頼を受けたからと言って、情報の漏洩収集に加担したら世界を相手のビジネスはやれないと真剣に話していました。そこまで会社経営者は危険なことはしないとまで言及していました。

以前私は無線通信機やコンピュータシステムの関連技術の特許権化や、プログラム開発なども行ったことがありますが、複雑な処理をしている機器の動作確認や、デバッグをおこなうにあたり、回路や処理の途中にモニター端子なり、フローを確認するためのトレース処理を入れ込むことは行われていました。今回もそうしたデータ抽出の出力機能があることが問題視されてしまったのかなとも一報を見たときに思い浮かべました。
今回話題の開発メーカはそうした事実はないと釈明していますが、抜き取り可能な要素が製品に残って入れば、疑われて仕方ないかなとも思ったりしてしまいます。

40から50年に私が勤めていた会社でも米国の基幹通信システムを受注したことがあります。
ところが、米国外のメーカの機器を国の基幹システムに導入することはまかりならぬと、政府だったか議会の
反対で輸出案件が反故になったことを思い出します。
米国内の技術開発力の低下や、安価な機器を採用することは危機管理上問題という声まで出ているので、
全く同じような状況だなとフト思い出しました。

米国内での次世代通信規格「5Gや6G」での主導権の低下や、開発スピードなども背景にあるようにも思います。
そもそも、米国のベル研究グループなどが、世界の通信機器のデファクトスタンダードを形成していた50年以上前と、現在では全く世の中が変わって来ています。世界標準の技術が中国などのアジア諸国から生まれていることが貿易摩擦より、危機感を以て見ていかねばならないと感じています。通信分野だけでなくこれから10年先を踏まえた技術やサービスの開発が、中国の企業や中国出身の技術者の方々から生まれてきている事実を踏まえ、対応を取らないと我々も置き去りにされてしまうと感じます。

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