空調服
初夏の日差しが新緑に美しく映える季節です。
今年も梅雨入りが話題になりますが、何だか最近は、季節を超えて突然夏日などというニュースも流れ、
春先から早くも熱中症が話題やニュースに登場します。
もちろん、本格的な夏は7から8月で猛暑が身体に堪えるのはまだ先です。
ある展示会でお目にかかった技術が気になっていました。空調服という名前の作業服があったのです。
服には空洞があり中に冷たい空気が流れ、炎天下などでの作業を楽にする商品です。複数のメーカが、業種や
用途別に空調服を商品化しています。
ネットにあるサイトには業種や用途から選ぶページまで登場しています。細かい違いは判りませんが、
建設・建築、製造・工場、流通・イベント、農作業、大工、鉄鋼、電気工事・設備、配送業(運搬)、軽作業・倉庫、林業、土木、ゴルフ、バイク、登山、アウトドアと多様です。
また、肩パットが付いたもの、高所作業の転落防止のハーネスが付いたもの、反射材を使った高視認性服、
迷彩服、レディースなどと様々な特徴を持ったモノまで登場しています。
価格も思ったより高くなく数千円から2万円未満で入手できそうです。
服という以上は、あまり分厚いのは好まれるわけはありません。ブルゾンのような上着で快適な作業ができるような工夫があるようです。しかし薄すぎるとそれこそ空気が行きわたらず、快適性が損なわれます。
服の表布と裏布の間に入る小さな空間を形成するスペーサが入っているのです。
「人体用のスペーサ、人体用空気流通路及び汎用スペーサ」という名称の発明があります。
特許第4067034号で、株式会社セフト研究所が権利化しています。
空気の流通路を確保する柱を持った枠が連結されて可撓性を確保しています。1平方メートル当たりに100個くらいのスペーサが連結されるのです。
この特許によると、空調マット、空調座布団、空調椅子、空調衣服、空調ベットなどと様々な用途が示されています。もちろん、寒いときには温風を流すこともできるのでまさに空気調整の空調になるわけです。
人体用スペーサとありましたが、スーパーマーケットなどの野菜などの食料品の陳列の下敷きにも、押し入れ
スノコのような湿気対策にも使えると書かれていますので、空調服にとどまらず用途は拡大するのでしょう。
登山用のリュックに取り付ける背中の汗の流れを防ぐスペーサや、ヘルメットに装着して頭の蒸れを防止して汗の気化熱で頭部を冷やすモノ、車の座席や事務用の椅子に敷くことができるクッションも開発されています。
身体に密接させないスペーサで空気の流通路を確保するアイデアは、同じ出願人から権利化されており、
特許第3419403号として登録になっています。
名称は「冷却寝具、冷却座布団、冷却マット、冷却椅子、冷却服、並びに冷却靴」となっていました。