コラム

発明密度

2020年は東京オリンピックの年ということで話題が持ちきりですが、
令和になって初めての国勢調査が行なわれる年です。

1920年(大正9年)に始まった国勢調査は、大規模な調査は10年毎、小規模な調査は5年に一度で、今年でちょうど100年目を迎えることになります。調査結果は、衆議院の小選挙区の改定、地方交付税の交付額算定など法令で定める「法定人口」として利用されます。各省庁の都道府県、市町村などの各種施策の基礎的な統計になります。民間企業のマーケティングや、大学・研究機関などでも。そのデータが幅広く使われているのです。

調査は10月1日現在でわが国に常住する、すべての人が対象になります。調査項目は、氏名、男女の別、出生の年月、世帯主との続柄、配偶の関係、国籍、現住居に入居した時期、前住地、在学、卒業等教育の状況、就業状態など15項目、世帯の種類、世帯員の数、家計の収入の種類、住居の種類、住宅の建て方などの4項目で、合計19項目です。

国勢調査は前回の調査からインターネットを使った回答システムが導入されました。調査員が用紙を配布し、回収するという作業は大変でしたが大幅に軽減されました。

以前の調査で面白いなと思ったものに、人口密度のデータがあります。「住民どうしの距離が最も近いまち」と表現されていましたが、平方キロメートルあたりの市町村の人口密度は1.5万人と、日本一は埼玉県蕨市でした。中仙道の宿場町として発展してきた蕨市は、1970年から人口密度一位の座を保っているそうで、素晴らしいことです。都市基盤整備が進んでおり、道路舗装率は100%、コミュニティー施設の充実が自慢で、全市が市街化地域で自然が少ないのが課題で、公園や緑地に歩道の整備を進めているとのことです。

ところで、特許の世界に目を転じてみると、都道府県別に見て出願の一番多いところは、何といっても東京です。出願人の住所が、企業の本社の所在地を示すことが多いためにどうしても東京が一番になってしまいます。

2018年の特許出願件数は東京が12.8万件、大阪3.1万件、愛知2.9万件、神奈川1.4万件、京都1.1万件となります。他の県は1万件未満ですが、少ないところでは、秋田90件、鳥取112件、長崎117件、高知と宮崎両県が118件となっていました。前年比の伸び率第一位は青森県244%でした。理由は分かりません。

PCTを使った出願を見ると、日本の特許庁を受理官庁とした出願は、東京が2.5万件と第一位で、大阪が6778件で2位ですが、京都3277件、愛知2952件、神奈川2531件と、京都が3位に食い込んでいます。研究開発の盛んな世界で勝負するハイテク企業が京都に多いのでしょうか。

発明の発生する地域は、全国では随分とバラツキがあるものです。

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