コラム

生成AI(人工知能)

この数年コロナ禍で世の中が様変わりしました。
様々な業務で在宅勤務や、ワ―ケーションなどともいわれる仕事と
バケーションを兼ねて温泉や景色の美しいところに行き、
リモートで仕事をする形態も少なからず導入されています。

コロナ以降、会社のオフィスを縮小したり
すべてのデータをサーバーに搭載し、どこでも仕事ができる体制を整えています。
特定の仕事場ではなく、
その日・その時に出社した早いモノ勝ちでパソコンを置く机を確保するスタイルのフリースペースで仕事をし、
外部との連絡は会話が漏れないような室を用意するなど仕事のやり方が変化してきました。

私はこういう対応に少しばかり懸念を抱いています。
私が現役の時代には、与えられた自分の机があり、大部屋に他の係や部門の人が隣り合わせにいました。
そして、それなりにノイズではありますが
他の部門や担当の話す声が聞こえ、なんとなく問題や課題の共有ができていました。
また、明細書一つとっても、赤ペンで先輩が修正をしてくれたり、その場で疑問を仲間に投げかけたりして
仕事の推進に必要な知恵や知識を醸成してきました。
ところが、リモートでの仕事では
どうしても知識の共有や課題への対処法を議論するなどの、ノウハウの習得がスムーズに進まないのではと憂いています。

こうした折に最近注目を浴びて来ているのが
2022年11月に提供されたオープンサービスで、誰でも使えるChat GPTに始まった生成AI(人工知能)です。
ノウハウの伝授がなくても対応ができるとか、時間短縮になると導入する官公庁や会社の動きを見聞きします。

生成AIでは、質問を入れると回答が示され、
さらに深い質問ができるなど、使い勝手が良さそうです。
しかしデータを解析して知識化する機械学習の仕組みはつまびらかではなく、
疑問に感じる結果が示されることも少なくありません。

分野を絞り、それなりの学習データが得られる範囲では使えるという見解も示されています。
機械的な学習のやり方はたくさんあり、
どのような処理がどのような分野に適しているのか、はたまた経験値である学習データがどの程度存在するかで、
評価が決まりそうです。
また、AIが出した結果を評価判断できる能力が利用者には求められます。

人間は脳からの命令や判断で、体や頭脳が動きますが、
脳からの判断命令をどう伝達するかは身体全体にわたる神経細胞のネットワークがあり
それらをつなぐ接点のシナプスがルートを分ける働きをしていると言われています。
末端の神経には熱いものに触れたら手を引き込める、
危険物をどう避けるかなどの反射神経や雑菌に対する免疫反応もあり
いちいち脳にまで情報が伝達されなくても行動ができることを、学びや活動を通して体現しています。

そうしたレベルまで生成AIの学習が進むことで、実用的な仕組みができるのでしょう。
こうした神経細胞に模した機械学習の特許の一例が
特許第4997524号
「多変数決定木構築システム、
多変数決定木構築方法および多変数決定木を構築するためのプログラム」(会津大学)です。

このような学習システムはまだまだ多くの発明が登場するでしょう。
特許庁でも現在のAI担当官を2023年10月から4倍の40名体制にして、
各審査室に配置する方針が示されました。
分野ごとの学習システムの充実に審査面でも体制強化していることを物語ります。

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