コラム

検索格言

特許調査にはデータベースを検索することが日常的に行われています。検索のキーが少しでも違うと、検索結果は全く違ってくることは皆さん経験していることでしょう。

実は現役時代に、サーチャーによって検索項目がまちまちで、なかなか同じような結果が得られない悩みがありました。そこでサーチの仕事をしている人を集めてサーチミーティングというのをやってみました。各自が行った検索テーマと検索式を相互に発表しあって検索戦略や使った技術用語、特許分類などを説明して、相互に意見交換をするのです。まさに切磋琢磨で、みんなの検索手法を高める試みでした。テーマに合わせて使うデータベースの妥当性や、検索キー、検索戦略などの意見を交わし妥当な絞り込み方法などの情報交換をしたのです。

特許庁からの拒絶理由の引用例が、出願前調査では、なぜ発見できなかったかを当時の検索式を見て再度どのようにすれば引例が見つけられたかを検証したケーススタディを重ねました。複数のメンバーが同一のテーマについて同時に調査をして、それぞれの見つけた検索結果を比較して、他の人が行った調査法や観点の違いを勉強するなど、何回も相互の技術交流・交換を行い、お互いのスキルアップを行っていました。

ある時は特許庁からの審査着手計画を聞き、同時進行で特許庁の使っているFタームやファイルインデックス(FI)を中心にした調査ツールを用いた審査結果と、我々の全文特許情報データベース検索の比較実験を行ったことがありました。相互に見つけた先行技術(公知例)を示し、なぜ発見できなかったかなどを比較したこともあります。7から8割は相互に同じ公知例を発見しましたが、お互いに見つけることができなかった独自公知例が2から3割あることが分かり、まさに互角の調査結果でした。庁の見つけた公知例をどうすれば見つけられたか、その後確認したのです。

そんな動きがあった中で、ある人が検索格言を作りました。それなりに的を得ていると思いますので、ご紹介しておきます。

「折角の濃い集合を、薄める下手な同義語」
「Fターム検索、必ずワードで補足すべし」
「十人十色の分類付与」
「漏れなしの安心集合、ごみばかり」
「投網打て!小集合がノイズを減らす」
「底引き網より、複数の投網で捕らえろ 狙った魚」
「知りたいこと、依頼元も分からない」
「先ず聞こう、依頼元の胸の内」
「ピンとくるこの言葉、この表現」
「このテーマ、ひと言でいうと?」
「気をつけよう業界用語と社内用語」
「予備検索、調査の仕方が見えてくる」

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