最近の審査
ちょっと話題にすべきか迷っていたのですが・・・。書いてしまうことにしました。実務担当者は気づいていることでしょう。
話題は特許庁の面接審査です。最近の拒絶理由通知書には種々拒絶すべき理由が述べられた後に、疑義がある場合で希望があれば面接を行う旨の記載があります。
面接の要請は、出願代理人である弁理士または代理人がいない場合には出願人自身が行うことになります。審査官からの要請で行うこともあります。
面接の目的が審査の迅速化にありますので、面接要請の趣旨や内容を具体的にして申し込み、審査官が面接をすべきかどうか判断した結果実施されることになります。
詳しいことは面接ガイドラインに規定されておりますが、スムーズな審査を行うためには優れた制度であるといえます。
面接ガイドラインによると面接の主なものは、第一が本願発明と先行技術との対比説明のための面接、つまり、審査官が拒絶理由において引用した先行技術とを対比を説明し、併せて、本願発明と先行技術との相違点や当該相違点に基づく特許性の主張等を整理して説明するものです。
第 二が明細書等の補正案等を説明するための面接で、出願人サイドが、手続補正書、誤訳訂正書、意見書又は実験成績証明書等の書類の作成に際して、特許庁へ書 類を提出する前に、予め審査官にその案を説明するものです。この際、審査官が、代理人等から明細書等の補正案等について意見を求められた場合、迅速かつ的 確な審査に資する範囲内で、適正な補正等がなされるよう、可能な範囲で補正の示唆等を含め意見を述べることがあります。
面接の内容は、記録され包袋に保管されています。また、IPDLによる審査書類情報照会サービスがありますので、必要に応じて閲覧することは可能です。
1995年頃からは、面談だけでなく、面接に準ずる取り扱いとして、電話やファクシミリなどが加わりました。
こ れが、ちょっと気になるのですが、出願人からすると面接の結果、補正が必要との示唆を受けた場合に、ファクシミリを使って補正の内容を審査官に送り、電話 等で確認し、特許してもらえるかどうかの感触をつかむことができ微妙な補正、登録になるかどうかのギリギリの判断ができます。
一方、第三者側の立場に立つと、電話などでの説明の経過が審査書類の閲覧をしても読み取れず、面接後当初減縮した請求項を補正書の案として送っているのにも関わらず、最終的には広い範囲で認められてしまっているケースも見受けられます。
ファッ クスはそのまま包袋に収められ、電話などの内容は必要に応じ対応記録がなされます。審査促進の陰で、これらの記録を見ても、結果としてやり取りが第三者に は伝わらない案件も少なからず出てきます。当事者になった場合にはよく包袋情報を確認し、対処することが重要になってきます。