コラム

新潮流

企業ビジネスをリーガル面でサポートする専門家は、弁護士・弁理士などに代表される士業と言われる専門家が活躍する場です。

一般にこ うした士業は、専門家なるが故、今までの様々な経験に裏打ちされた知恵が生きる仕事が少なくありません。つまり、企業を巡る様々な問題や課題は、必ずしも 一定・一様でなく、多くのケースを体験した人が、何と言っても的確な対処方法を提示できることが少なくありません。つまり多くのケースを体験することで、 新たな問題に対する対応が、自ずから出てくることが多分にあります。匠の技などと表現できる世界にも通じることでしょう。

そこで、経験豊富なベテランが力を持つことになり、若い士業はベテランについて様々な事件や場面に対する対処法を、身を持って学ぶことが少なくないのです。

し たがって、従来から企業がリーガル面での支援を頼む場合、その弁護士なり、弁理士の得意な分野を確認したり、評価・判断できる力が法務部門や、知的財産部 門には求められるスキルになっていたのです。こうした判断ができないで、士業の先生だから何でも任せるというところも少なくないのです。

専門家の側から見ると、少なくとも自分の得意分野は胸を張って対処できますが、不得意な案件が依頼人から来ても、引き受けてしまうことも少なくありません。

通常の事務所では、個別の案件を見て手持ちの業務量や分野などを加味して担当の弁護士や弁理士に、その依頼を割り当て対応してゆく体制がほとんどです。大手の事務所では大型の事件などでは、プロジェクトチームを作って対応することもあります。

し かし、最近の動きは少し変わってきています。ある法律事務所では、3000人以上の弁護士や弁理士を抱え、あらゆる顧客からの依頼に対応しています。新た な案件が来ると事務所内のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を活用し、依頼された案件の詳細をアップします。そして、メンバーの中から、自分 がこうしたケースは経験豊かだから貢献できるといった書き込みをしエントリーします。

そして、案件の内容にもっとも適した弁護士や弁理士を選択し、チームワークで依頼者に最高品質で、かつリーズナブルな費用で法的なアドバイスをするというのです。

内 容は知的財産に限らず、M&A、融資、会社法務、国際法務、紛争解決、証券業務、労働法、破産・清算、不良債権、コンプライアンス、独占禁止法など多岐に わたるビジネス案件に対処するというのです。所属の専門家の多くは国際的な問題を解決してきた国内外の大規模な事務所で多くの経験を積んだベテランがメン バーになっています。

SNSをフルに活用して、投資家にまでそのネットワークを拡大していると言いますからチームでの知恵だけでなく、必要な資金の供給という新しいリーガルビジネスの潮流が始まっているといっても過言ではないでしょう。

これは私の知人もパートナーとして所属する、中国で実際に行われているビジネススタイルです。中国人の柔軟でグローバルな対応力には感嘆しました。

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