手を替え品を替え
2016年の7月に日本でのサービスが登場したポケモンGOは、スマホのアプリケーションとしては、驚異的ダウンロード数で、世界で5億回もダウンロードされているのだそうです。街中では、スマホの画面を見ながら歩かないで下さいとのメッセージが駅やデパートや大型ショッピング店舗など、人の集まる所では繰り返しアナウンスされ、その社会的な反響の大きさは半端ではありません。
そもそもの始まりは、2014年4月のエイプリルフールの企画として、グーグルマップ上にポケモンを出現させ、捕らえることができるサービス「モバイル版Googleマップ ポケモンチャレンジ」を提供したのが始まりだそうです。
これにナイアンティックが目を付けポケモン社との共同開発になったそうです。イングレスというサービスと同じような仕組みで共同開発のスタートから1年半程度でサービスが始まったようです。プロダクトのコンセプトが「新しいものに出会う」「体を動かす」「他の人と何かする」ということだそうで、ゲームのコンセプトにこの3要素が入っていたのです。これは人の興味を誘い、しかもゲームお宅のような家に閉じこもって黙々とゲームに没頭する篭りを打破してしまうことが、今回のヒット要素が含まれていたのです。
私もサービス開始から数日でダウンロードしましたが、ここまで世代を超えて楽しむ人が出てくるとは予想もしませんでした。特に高齢者にも相当程度普及している事実は大変なことです。定年退職後の時間を潰すにはもってこいですし、家の外に出て歩いて出会いを楽しみながら、運動不足を解消できる仕組みは長生きを促し、大げさに言えば高齢者社会の医療費の削減にも繋がるのです。
ポケモンという若い世代との共通の話題も家庭内の意思疎通につながり、素晴らしいことです。我が家では年寄り、その子供、そして孫と共通の話題ができて家庭の一体感が増したと実感しています。
このポケモンGOが素晴らしいのは、2週間に一度という頻度で、ゲーム全体が進化して、社会の批判を反映して改良や機能強化を進めていることです。
秋のハローウィンの季節、クリスマス、新年のサービスと、ゲームに飽きる頃には、新しい機能やサービスを投入して来ています。これでもか此れでもかと新たなサービスや新たなキャラクターを登場させたり、出現頻度を変えてきています。
また、情報のリークも上手で、ニュースに開発マル秘情報としてテレビ特集する戦略も脱帽です。どこかで情報をリークしているのでしょうが、第三者がポケモン出現の状況をリアルタイムに把握出来るシステムを複数登場させています。
薬の世界での、粉薬、糖衣錠、ドリンク剤、貼り薬と変化させて、商品寿命を延ばしたり、改良特許権で独占権の延命を図る戦略と同じです。酒でも、固形酒、チョコレートや、ボンボンにブランデーやウヰスキーを閉じこめるなど、手を替え品を替えのアイデア、飽きさせない工夫は、今年は我々も考えて見たいモノです。