コラム

小僧寿し

私の好物の中でも、一番に上げられるものに、お寿司があります。新鮮な魚介類に、酢の利いたご飯は、食欲を誘います。寿司は、粋な寿司職人の握った ものと相場が決まっていたようですが、最近は合理化が進み、機械で握ったものも少なくないようです。何か押し寿司のように、四角くなっているものがありま すが、こうしたものはほとんど間違いなく、機械が握っている物でしょう。

機械化によって、職人並の握りを実現し、安価で提供するのも庶民にとっては悪くないことでしょう。こんな機械化時代を反映し、持ちかえりの寿司専門の店が、町のあちこちに、数多く生まれています。

持ちかえり寿司の中でも、全国規模でフランチャイズを展開していることで、多くの人に知られているのが、「小僧寿し」ではないでしょうか。あの頭に手ぬぐいを結び、前掛け姿でお辞儀をしているマークを、皆さんも町で見かけたことがあるはずです。

この「小僧寿し」のチェーンを四国地区で展開しているS社が、大阪にあるI社から商標権を侵害しているとして、訴えられました。

I社は「小僧」という商標を、食料品を指定して1956年(昭和31年)に出願し、1957年7月には商標登録第505891号として登録になりました。そして、I社は、大阪を中心とする近畿地方で「おにぎり小僧」の名前で、持ちかえり用の、おにぎりや寿しなどを製造して、販売したのが1974年頃だったのです。

一方のS社は、1972年(昭和47年)に設立され、1978年には「小僧寿し」という名前でフランチャイズチェーンを構成する一員として商売をしていたのです。

S社の「小僧寿し」が、I社の商標「小僧」を侵害しているという訳です。

この裁判は、最後は最高裁判所まで持ち込まれてしまったのです。そして、最高裁判所の判決では、損害賠償が認められなかったのです。

つまり、簡単にいえば、「小僧寿し」は、「小僧寿し本舗」の略称として有名になっているから、「小僧」の商標があっても、「誤って混同してしまうことがない」というのです。

こうした、判断は、勇気のある判断として、商標関係者にはインパクトを与えたようです。今までの商標の判断は、登録された商標の「指定商品の区分」と「外観、観念、称呼の類似」で判断されていたのです。

しかし、誤認を招かないほど著名になっていれば、類似ではないと判断されるというのが最高裁の判決でしょう。ここでは四国地域でI社が商品を販売していない ことも考慮されたようですが、「KOZO」という文字が店の扉に書いてあったのにもかかわらず、損害賠償は認められなかったのです。

この判決は額面通りに読むと危険と、ある弁護士が指摘していました。この裁判の途中では、「KOZO」を止めることと、「小僧寿し」を商標として商品に使用しないという和解があったのだそうです。判例を読むことは難しいものですね。

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