コラム

多臓器不全

かれこれ10年前にある大学で、産学連携のイノベーションセンターにおいて、内科のお医者さんが医療関係のシステム開発や研究のアドバイザーとして、非常勤で勤務していたことがあります。

この方大変気さくで、色々なお話を親しくさせて頂いておりました。

人間は大した外傷もなく、突然ショックを受けただけで、命を落とす人がいるが、どうしてそうしたことが起きるのかと質問したことがあるのです。

話 しのきっかけは、私が若いころに禁煙を試みたが、誘惑に駆られ喫煙をしたり、禁煙をするということを繰り返していたのです。禁煙が続いていたある時に久し ぶりにタバコを吸って、肺に呑みこんだ途端に頭のてっぺんに衝撃を感じ。さらには手足までその衝撃が走ったことを話し、これが切っ掛けでタバコから離れる ことができたという話をしたのです。

このような口に含んだだけで、全身に瞬時に影響が出てくるといった生体の中にある現象はどのようになっているかとたずねたのです。

そ の時に聞いたのが、多臓器不全という用語です。人の身体は病原菌や異物などの侵襲にさらされると、それを排除して防御する自己防衛、自己治癒機能があると いうのです。しかしながら、局所で防衛をしている間は良いが、過剰に反応すると守るべき生体の組織を破壊してしまうことがあるのです。

異物 の侵入や外的なショックにより、連鎖的に複数の臓器が障害になると、生命の維持ができなくなり致命状態になるということです。腎臓、呼吸器、肝臓、血液 系、心血、消化器、神経系の7つの生命維持体の内2つ以上が同時にまたは相次いで機能を失ってしまうことを多臓器不全というのだそうです。

当時は、その内科医の指導教官だった大学教授などを中心に研究がなされているが、ほとんど治癒することや、そうした体質かどうかを判断するすべがないという話でした。

興味を持って特許を調べたところ、いくつかの発明が出ていました。小野薬品工業の特許第3060214号「縮合ピペリジン化合物、その製造方法およびその化合物を有効成分とする薬剤」、特許第3174563号「5- チアーω―置換フェニループロスタグランジンE誘導体、それらの製造方法およびそれらを有効成分として含有する薬剤」が相次いで見つかりました。技術内容 は理解できないのですが、その後のニュースによると世界で初めて「シベレスタット」いう名前の薬が「全身性炎症反応症候群-SIRS-に伴う急性肺障害の 改善」を効能・効果として製造承認されたそうです。

この「シベレスタット」が多臓器不全の治療薬としても考えられているのです。

しかし、ある種のショックからの多臓器不全は早いスピードで生体の機能停止を招きます。したがって、体質の早期発見も必要になります。最近では特許第5565607号「敗血症又は多臓器不全の予後診断方法及び予後診断用キット」が、東京大学から出され権利化されています。特異体質発見に役立つことになるかも知れません。

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