コラム

地球に優しい

「地球に優しい未来技術」(1997年発明協会発行)という本があります。初めは発明と関係があるのかな?何の本なのかなと思ったものです。ところがサブタイトルに「分解+組み立て容易性、パテントMAP解析」とあり、編者は「特許・リサイクル対策研究会」 で、大いに特許に関係がありそうなのです。

既にリサイクルは、多くの方に日常的に意識されています。各自治体により多少は取り組みが異なりますが、資源ごみの分別回収が進み、ゴミとしての廃棄する際に、材料別に分けることが求められます。

だいぶ前ですが、「古紙100%使用。これだけでは、エコマーク商品には認定されません。」とのキャッチコピーで、キングジムの「スーパードッチファイル」なる商品の広告が登場しました。環境保全仕様と名を打ったファイルで、とじ金具と表紙が、側面を木槌で叩いて90度回せば、簡単に分離でき、取り外せる構造を売り物にしたものです。ファイルの表紙には、オレフィン素材を使用しており、焼却しても有害物質を出さないとか、芯の素材は100%古紙を再生したものだそうです。

技術の発展は多くの人に、便利な道具やサービスを提供しますが、どんどん便利なものに乗りかえることで、廃棄されるものが多くなることは利便性の裏返しとして、当然の成り行きなのでしょう。しかし、その廃棄物が自然破壊を誘発したり、環境の破壊や悪化を促進したり、各種の埋蔵資源の枯渇を招くことが指摘されているのです。

そこが問題となり、リサイクルの発想が出て来るのでしょう。昔から、東洋の思想には輪廻があり、自然界は生態循環があるべき姿であって、循環型の経済社会が、自然なのだと主張する人が少なくありません。

リサイクルとなると、製品の「分解・組立ての容易性」が、一番の目的、課題になります。分解したものを、そのままの形で活用する「再利用」とか、分解したものを原材料として使う「再生」があるのです。ところが、小型の電気機器などは種類が多く、分解や修理の仕方を書いたマニュアルがあっても、リサイクルをする人が総てのマニュアルに目を通すことは不可能でしょう。そこで、分解や分離がしやすいものが要求されることになります。しかも、容易に分解できることで、一般の消費者が簡単にバラバラにした場合の事故も想定されるのです。こうした、組立て分解の容易さなどの設計条件の厳しいところには、どうしても新しいアイデアが必要になってきます。

始めに紹介した本の中には、「越えなければならないハードルがあれば、それに対応した新しいアイデア、技術、システムが生まれてクリアしてきている」と表現されていました。何しろ、色々な分野の様々なところに、特許があることが明かにされていました。パテントマップを作ったり、新たなアイデアを追加したりと、技術分野の異なる人が手弁当で、分析・研究したことや、成果が示されていて参考になります。

特許情報の分析には明確な目的を意識しなければならないと常々思っています。特許情報分析の手法と、個別の特徴ある技術をまとめた方法も含め、素晴らしい本です。

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