コラム

倒木

9月に入って、台風15号が関東を直撃して、東京湾を進み千葉市に上陸という珍しいコースをたどりました。

我が家の上空を夜中の2時頃に通過して、大変な雨風で思わず起きてしまったほどでした。何しろ今年の猛暑で、海水温が高かったとのことで伊豆近海でも成長を続け、上陸しても衰えることはなく被害をもたらしました。千葉では送電線の鉄塔が倒れ、停電が長く続きました。我が家でも停電に備え、寝る前に全員の枕元に
LEDの電灯を置くように手配しました。その昔はローソクでしたが、今は長寿命で低電力の懐中電灯があるので重宝です。

話は戻りますが、あの強風と強い雨で、地盤が緩くなり、根の張りが悪かった樹木の倒木や、枝が千切れたり折れてしまい。あちこちで道を塞いでいました。私の家の庭でも百キロを超えるスモモの木が根こそぎ倒れてしまい、もう切り倒すしかない状況で未だに手が付けられません。

台風一過の朝には、鉄道各線や道路への倒木があまりにも多くて、復旧に予想以上に時間がかかり、朝の通勤の足が大幅に乱れ、会社に着いたのがお昼頃という人が続出しました。

最近は都会での緑化が推進され、道路や線路の周りにも多くの木が植えられ目に優しい景色があちこちに見られるようになりました。しかし樹木は10年20年と経ちますと途轍もない高さや幅になり、小まめに剪定をしているような庭と異なり、大木の処理が大変になります。特に電車の線路脇の大きくなった枝の伐採には、大型の重機で木の近くまで入ることが出来ない環境の所が多く、夜中に電車が止めた後に特殊な線路上を走る重機などを持ち込み剪定や伐採をしなくてはなりませんでした。

こうした状況を踏まえて、線路脇や道路脇の大木を処理する技術が開発されました。2015年(平成27年)6月に出願されて、12月に登録になった発明があります。特許第5850481号「樹木伐採装置」です。

何やら複雑な機械なのかと思いきや、失礼な表現かも知れませんが、大げさな装置ではないのです。伐採の対象となる樹木か、隣の樹木の、上部にある枝元に、ロッククライミングなどに使うようなクライミングロープを往復状にかけます。そして切断対象の切断対象部分より高い位置にリギング滑車を取り付けます。その滑車に通したリギングロープの一端を切断対象の枝に結び付けます。そしてリギングロープの他端を一気に落下しないようにするための落下制御装置に結び付けます。

切断伐採対象樹木に隣接の樹木などに取り付けたウインチに繋げた牽引用のロープを伐採対象樹木に結び付けます。こうしてロープと滑車とウインチを制御することで、伐採切断した樹木をその樹木の重力で,木の根元または安全な場所に下ろしてしまうのです。現場の状況で滑車やウインチの取り付け場所が変わりますし、ロープを自在に制御することで大木の安全な伐採が日中の交通を止めることなく出来るのです。

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