万能細胞
2014年の1月末に発表された再生医療の道を拓く可能性のあるSTAP細胞のニュースを耳にして、心から感嘆しました。
ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授に続き、日本から様々な多機能性を持った細胞が発見され、作製する技術が見出されたとのことで感激し驚いています。
私はこの分野は門外漢であり、技術的には本当のところ良く分らないというのが正直なところです。
しかし、人類の常識をひっくり返すような特別の発見で、イギリスの科学雑誌のネーチャーですら、最初の投稿は信じられず、掲載原稿が不受理になったということも伝えられ、そうした事実を聞くと、とんでもない技術開発や、発見であったと感じます。
昔から天動説の時代にガリレオが地動説を唱え、認められないと言った類の話をいくつか聞きますが、ここまで文明文化、技術が発展していても、まだ未だそうした技術が、存在することがあるのだと、改めて未知の世界の奥深さを感じざるを得ません。
山中教授のIPS細胞は2005年に特許が出願されてから、8年近く多くの人々が待ちわびた不治の病を治すことができる可能性のある細胞が作られ、 副作用や癌化の危険がない細胞ができて、そろそろ臨床試験の段階になってきたものが出現しつつあるとのことです。薬や治療法は人体への影響を慎重に見極め るための何段階かのテストが重ねられ、適用や実用化がなされることは知られていますが、相当のスピードでこうした作業が進められていることは驚きでもあり ます。
今回のSTAP(STimulustriggered Acquisition of Pluripotency)細胞は、名前の通り、何らかの外部による刺激によって多機能性を獲得する細胞というものです。
理化学研究所の小保方晴子をリーダとする研究ユニットが開発したものです。
酸性の溶液につけるなどの簡単な刺激で、リンパ球から変化して万能細胞が取り出せたとのことです。
特許は出願中とのことで調べてみましたら、PCTを使ったアメリカ特許庁を受理官庁とした出願が見つかりました。国際公開WO/2013/163296です。アメリカの婦人科病院BWH、理化学研究所、さらに東京女子医科大学の出願です。2012年4月24日に仮出願され、2013年10月31日に公開になりました。
発明者の小保方晴子さんもテレビで遠慮がちに表現されていましたが、未だ権利としては認められてはいないのでと、特許内容については明らかにしませんでした。
しかしながら、公開公報を見た限りでは、「細胞を刺激することで多能性細胞を生成する方法」が請求項になっています。ストレスの与え方も数多く上げられており、世の中に存在しない生成方法であり、簡単な構成の特許が認められる可能性は十分あります。
失ってしまった細胞の再生が可能な医療技術だといいますから、10年なり20年後には自らの身体を事故や病気で無くしてしまっても、元通りになるかも知れない、正に夢のような話が現実のものになる可能性があるようで楽しみです。