コラム

マクドナルドの看板

ファストフードの代表選手にハンバーガーがあります。若い人はもちろんのこと、熟年の人にもなかなか人気があるようです。車に乗ったままで、買い物ができるところもあり、恋人同士が気軽にドライブの小休止を求めて利用することもあるようです。

牛や豚の挽き肉に小麦粉、香辛料、野菜などを入れて焼き固めたハンバーグを、パンに挟んだハンバーガーを誰が発明したのかは知りません。サンドイッチと同じ発想なのかも知れませんが、気軽で手軽でボリュームもあり腹の足しにはなります。

今や日本中どこにいっても見かけられますので、珍しいことではありませんが、私の住んでいる近所にもハンバーガーショップの代表ともいえるマクドナルドがあります。

このマクドには、畳何枚か分の大きな看板が建っています。トレードマークの黄色いMの字がクルクル回っているのです。黄色いMマークはどこに行っても同じようで、ロシアだったか中国だったか、昔の共産圏諸国でも見かけたように記憶しています。

しかし、フランスのパリで見たマクドナルドのMは黄色ではありませんでした。白なのです。都市の景観を害するといった理由でしょうか、壁に白いMがあるの で、ちょっとびっくりしました。何しろ、パリでは家ごとのバルコニーのデザインまでも当局が口を挟むそうで、同じものが許されないなどと聞いたこともあり ますからね。

おそらくパリの市街地では、わが家の近くにあるような、ドデカイ看板をクルクル回すなどといった無粋(?)なことは許されないのでしょう。

夜になると、遠くの方からでも、Mが回転しているので、目安になって、重宝しています。しかし、あれだけ大きな看板を回すのは大変です。丸いものならまだ しも、帆のような形で、風が強いときには大変だろうなと思ったものです。相当に強い風のときには止めてしまうのでしょうが、止まっていたのを見たことがあ りません。

不思議だなと思っていたら、1995年1月24日に公開になった公報に答えがありました。特開平07-020805号強風でも大丈夫な「回転看板」です。

典型的な普通の回転看板は、支柱に歯車(太陽歯車)を固定しておき、その廻りについた遊歯車をとおしてモーターの回転を伝えるのだそうです。しかし、風が強いと看板が逆回転して駆動モーターを焼き切ってしまうこともあるのだといいます。

マクドナルドの回転看板は、支柱の廻りに摩擦駆動輪を配置するのです。摩擦駆動輪とはゴムなどでできたタイヤみたいなもので、風などの力が看板に加わっ て、支柱の回転方向と逆の力が加わっても、滑ってしまい、駆動モーターに損傷をあたえる心配がないというのです。摩擦駆動輪の中にはクラッチが入ってい て、風の向きなどによってはクラッチを効かせたりしながらスピードをコントロールし、風の力も使うようです。

これはマクドナルドに勤めている細川さんという人の発明で、マクドナルドと藤倉プラスチックという会社の共同出願として出されています。マックは看板まで発明してしまうのですね。

この発明は特許庁の審査で拒絶されてしまいましたが、実用的な発明でした。

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