ブレイクスルー思考
音楽が好きな人はディジタルで記録するCDが登場した時のクリアーな音に感動し、アナログの
機械的な振動で音を記録するLPがとても太刀打ちできない領域に入った事を感じたことでしょう。
最近ではディジタル信号の圧縮技術の飛躍的な発展で、何千曲もの楽曲を手軽に持ち運べるiPodに
代表されるメモリに入れた美しい音源をいつでもどこでも楽しめます。
こうした技術の発達は、およそ25年以上も前に提唱されたブレイクスルー思考が世の中に浸透してきて
いるからではないかと最近思うのです。
「過去の延長線上に未来は無い」と徹底した創造的な、現状打破である「ブレイクスルー」を行う思考法です。
コンピュータシステム開発の分野で有名な「ワークデザイン」の創始者として知られているアメリカの
南カリフォルニア大学のジェラルド・ナドラー教授と、日本の中京大学の日比野省三教授が提唱したものです。
世の中はこんな方向に向かうに違いないと直観の働く人がいますが、この思想は直観的な思考方法を
学習することで、実践できるというもので、以下が創造的な7つの原則です。
1.ユニーク「差」の原則
問題は一つとして同じものは無い。他人の考えた解決策を適用しても真の解決には成らない、
総ての事はそれぞれ固有の現象を持っている。ユニークな差がある。
2.目的展開の原則
目先の目的に囚われず、本来の目的は何かを追求する事。隠された誰も気が付かない
本当の目的を意識すること。
「何のために」それをするかを投げ掛け「再定義」する。
3.先の先を見た「あるべき姿」の原則
ユニーク差と目的展開で問題への取組の「枠組み」作り、その将来のニーズを考えた
「あるべき姿」を描く、未来からの発想ビジョンを作り、今何をすべきかを考える。
4.システム思考の原則
物事は相互関連を持った複数の要素の固まりからなり、何かを行う目的を持っているシステムである。
基本の要素と次元があるからそれを考慮する。
5.目的「適」情報の収集の原則
問題解決はデータを取ることではない。方便たるデータに振り回されるのではなく、
本当に必要な最小限度の情報を収集する。情報を取った事に満足して情報に溺れるな。
6.参画・巻き込みの原則
関係する人を最初から巻き込み、参画させる。時間と共に人の目的、価値観、行動を変えていく。
目的、価値、評価の基準の大枠だけを決める。
7.継続変革の原則
どんな行動も終わりがない。世の中変動している「あるべき姿」を一定の時期毎に見直し、
「いつ変えるべきかを知る」、唯一絶対の解決策は存在しない、常に変革が必要。
皆さん失礼ですが、結果として必要もない発明発掘に努力している事はありませんか?