ビッグデータ
北朝鮮の金正男さんと思われる人が暗殺されたニュースが伝えられています。
現場となったマレーシアのクアラルンプールの飛行場は、昔仕事で何回か訪れたこともある所なので一層恐ろしさが増します。あの発券カウンターの近くで襲われた防犯カメラの映像を見ると、なんだか身近なところで、VXガスという殺人ガスが持ち歩けることと、人に付着させて死に至らせることが、安易にできる恐ろしさを、衝撃をもって見ていました。さらに犯行現場が、しっかりと撮影されていることにも今更ながら、再確認させられたものです。
クアラルンプールだけでなく、日本の、いや世界各地の人通りの多いところには至るところに防犯カメラが設置されており、日常の行動が、すべてどこかに記録されているような生活環境にあることにも改めて認識を新たにしました。
数年前に求めた車には、道路の白線をウインカー操作無しで跨ぐと警告音が発せられたり、高速で走行しているときに、前の車に一定距離接近すると自動的にブレーキがかかる仕組みが搭載されていたのです。これも白線感知や、ドップラーレーダなどの近接センサーが自動車に常備されているのです。これとて私が希望したのではなく。走行の安全のために持っているのです。
パソコンもWINDOWS10にした途端に、最寄りの天気や、新しいニュース、新着メールなど、色々と通知してくる機能が勝手に動き、自らの意思とは関係のない、様々な情報収集や、情報の発信が行われているのです。
あらゆる情報を集めて、今まで関連があるとは思われなかった情報の分析と、新たな事実の把握がビッグデータ処理として注目されています。
人工知能(AI:artificial intelligence)の技術も、今まですべての知識をコンピュータに教え込むことで知能レベルを向上させる時代から、コンピュータが収集した情報を解析して、自らの知識として整え、さらには行動を促すレベルにまでなってきているのです。
富士通では「人と協調する、人を中心としたAI」、「継続的に成長するAI」を目指して、人を中心に考えたICT=Human Centric AIシステムをお客さまや社会に提供すると宣言しています。人工知能が勝手なことを考える時代が来るのでしょうか?
話しを特許の世界に転じると、こうした動きに遅れないようにと様々な動きがみられますが、特許情報の収集と解析は、その他の情報との関連を見ることで、見方が変わってくることは確かでしょう。我々が特許情報から企業や技術の動向を探り出せると、色々と勉強していた1970年代には、特許出願の時系列分析や技術分野別の技術要素分析、さらには発明者による分析が主体となっていました。これに学会などの発表結果に、新商品発表などの文献データベースを加える程度でした。
今後は社会の動き、人間の行動など世の中に設置された様々なセンサーからの情報を加味したビッグデータをも含めた分析が行われようになるのかも知れません。