ビジネスモデルの特許
近頃気になる風景があります。その1
結構身なりがしっかりした人が、駅のゴミ箱漁りをしているのです。昔から、いかにもお風呂に入ったことが無く、どす黒い顔色のお乞食さんがゴミ箱を漁っている姿を見かけたことがありますが、何か様子が違うのです。
大阪に出張に出掛ける新幹線のホームで、見かけた例をお話します。デパートの紙の袋を持った人が、伸縮する棒をポケットから取り出し、やおら伸ばしたかと思ったら、ゴミ箱の中に入れて何やら取り出しているのです。間違って捨ててしまったものを取り出すような仕種で、中から週刊誌やら月刊誌を丁寧に取り出しているのです。先がちょこっと曲がった棒で、週刊誌などの真中に挿入して見事に引っ掛けて来ます。そして表紙の状況などを見て、汚れたものや皺になったものは除いて、紙袋に入れるのです。良く見ると漫画や女性物、お堅い経済物などと分けていました。
新幹線が到着すると、新たな獲物が捨てられます。同じゴミ箱でも、後からあとから新しいものが入手できるのです。選択的に漁っているので、明らかに単なる古紙の回収では無いなと思ったものです。
近頃気になる風景のその2。
銀座や新橋などの繁華街で見かける光景です。道端に週刊誌や雑誌を並べて売っているのです。今週発売されたような新しいものも、積み上げられており、種類も豊富で数も揃っているのです。値段は半額程度でしたが、売れ残りの処分でもしているのかなと思って通過してしまいました。しかし、いかにも新しく、駅の売店で見かけたのと同じ時期に同じ物が並んでいるので、不思議だなと思った次第です。
そこで、ふと気がついたのですが、気になった風景その1と、その2は繋がっているのではないかと思えたのです。これは、従来に無い新しいビジネスです。人が読みおわった雑誌類の収集から再販売までが、システマティックに組まれていそうなのです。売れ筋の雑誌を選りすぐって収集すれば、それなりに儲かる仕組みです。
このところ、インターネットを媒体とした新しいビジネスモデルが特許になり、訴訟もされたとのニュースが幾多も伝わり、どこの会社もビジネスモデルの特許化を強力に進めている時期もありました。
しかし、今回紹介した今までにないビジネスモデルは特許が取れるのでしょうか。
世の中に知られてなく、それなりに新しい仕組みで、効果があれば、権利の取得の可能性も無くは無いのです。しかし、このような仕組みをどのようにして、実現して行くかが問題であり、ただ単に人手でやったものは、いくら世の中になかったからといって、難しいのです。コンピュータやネットワークを駆使して、システムに組み上げてしっかりしたカラクリが無ければ、特許化することはできないと思ったほうが良いでしょう。
ビジネスモデル特許は、カラクリも考えて実現手段を明確にすることが、必須の条件といえます。