コラム

トヨタ産業技術記念館

先日、名古屋でのある企画の下見で、いくつかの施設を訪問しました。

名古屋駅から名鉄で一駅の栄生(さこう)から徒歩で3分という便利な所にある「トヨタ産業技術記念館」という所を訊ねました。

あの著名な発明王である豊田佐吉さんが創業した豊田自動織機の前身である豊田紡績本社工場のあった所だそうです。

豊田佐吉の開発した自動織機はもとより、歴代の織機が現在も稼働して展示されているのには驚きました。

繊維から糸を紡ぎ、その糸を均一の太さにする工程が実演されていたのです。さらに豊田式木製人力織機、そして経糸も横糸も無停止で供給されるG型の自動織 機が実働。このG型の集団運転という一人の職工さんが6台の織機を見ながら、織上げて行く集団運転を見せてもらいました。昔から工場で動いていた機械を、 現在もメンテナンスしながら見学者の前で実際に動かしていることに感銘したものです。

休日だったので、小学生や家族づれが大勢いて、産業の典型といえる紡織産業のすべての工程を実働しながら、見学できる数少ない技術館ではないかと思った次第です。

こうした施設が首都圏にもあると良いのですが、中京地区で多くの産業が発展するのはこうした施設を児童の頃から見学できれば、子供たちも科学や産業に興味を持ってくれるのではないかと感じました。

紡織の機械は発展し、横糸を水で飛ばす機械、さらには水に弱い糸でも飛ばすために空気圧を使ったモノと、現在も使用されている機械も見ることができました。

今では、コンピュータで制御して、カラー写真をそのまま織物の柄にしてしまう優れ物まで登場しています。生地にプリントすることは珍しいことではありませんが、カラーの糸の供給を制御して、織り込んで行く大型の機械が実際に動いていました。

トヨタといえば、自動織機の次に日本で最初の自動車産業を興したことで有名です。

この自動車を国産化したのは豊田佐吉さんの息子の豊田喜一郎さんですが、この自動車産業創業展示には驚愕しました。輸入車しかない時代に、自動車を作ろう という事で、すべてを分解して部品レベルまでトヨタ1社で作り上げてきたのです。自動車に使える部品を作る工場が日本には存在しなかったことは勿論です が、エンジンから、シャーシ、ボディー、さらには座席などの内製品まで総べて作り上げてきました。

私が感激したのは、こうした部品の形状な どを分析して同じものを作るだけでなく、金属材料の組成レベルまで探求して、徹底した自主開発を行ったのです。日本が先進諸国の産業を導入するためには、 明治時代から先進国のエンジニアを高額で雇い、すべてを教えてもらう事が一般的でしたが、トヨタさんはすべてを自主開発で行ったのです。

特許に絡めた逸話を一つ。発明王豊田佐吉さんが亡くなられた後の百ケ日には、特許料収入の中から、発明関係者には当時のお金で十万円、工員さんを含め関係会社の従業員に総額二十五万円を特別感謝慰労金として分配したそうです。びっくりポンです。

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