コラム

ソフトと実用新案

1994年に、実用新案が無審査で登録になる制度ができました。それからの実用新案の出願は激減しています。93年以前には、年間にして約10万件あった出願は1万数千件になってしまったのです。

これは、実用新案の登録が何でも(もちろん、実用新案の登録要件を満足していることが条件です)、無審査で登録になってしまうことと、権利期間が短いことが特徴です。当初は権利期間が出願から6年でしたが、2005年からは10年になっています。

権利の不安定さを無くすために、権利を主張するためには、特許庁の審査官に「実用新案技術評価書」を請求し、先行している技術の評価をしてもらうことが必要です。つまり、「技術評価書」を取得してから提示することが、権利の侵害の警告をする条件になっているわけです。

実用新案制度が改正されたときに、新聞などでは、ソフトウェアの権利化に有効だという議論を展開している人がいました。しかし、実際には、殆ど無いに等しいのです。

ところが、先日、ある集まりで、弁理士さんと実用新案について話をしていましたら、ソフトウェアの保護に実用新案を利用している例があるというのです。もちろん限られた条件の分野であることは確かですが、そんなこともあるのだということで、ご紹介します。あまり多くないケースではあるとは思いますが・・・。

実用新案を、有効に活用している分野は、ゲームソフトウェアの業界です。ゲームのソフトウェアの寿命は短く、ブームが長く続いても1年程度であることが稀ではないようです。そうした分野では、製品を出すと、デッドコピーの後追い製品が登場して、さっと便乗して儲けて逃げてしまうことが少なくないといいます。

そのような業者を、訴えたり、警告するのに実用新案を使うのだそうです。最近の実用新案は早いと3ケ月で登録になるようです。出願と同時に「技術評価書」を請求すれば、登録と同じ頃には結果が出るといいます。予想以上に早く権利が確定するのです。

これを使って、物真似の海賊版を押さえるのだそうです。そうした業者は後ろめたさもあり、立ちどころに退散するといいます。

しかし、実用新案の出願には、工夫がいります。実用新案の権利を主張する請求項を複数項設定することが必要です。請求項には、もしかしたら認められない広い範囲のものから、確実に認められるであろう細かいところまで限定したものを、何段階か用意することが必要なのです。これは、「技術評価書」の中で、どれかの請求項が有効と判断されて残り、権利として主張できるようにすることが重要なのです。なにしろ、短時間に権利化して、何らかの形で権利行使ができるようにしなければならないのです。悠長にやっている訳には行かないのは、製品の寿命から見て当然なのです。

この弁理士さんは、特許で出さなくてはならないような、基本的な概念でないことが条件だといっています、実用新案は権利期間が短いですから、要注意ですが、寿命の短い商品には、お金と時間がかからないので有効かも知れません。

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