サポカー
国土交通省と経済産業省は「安全運転サポート車」という、高齢運転者の事故を減らすため、運転支援機能を備えた車の普及啓発に取り組むための制度の設立を目的に様々な取り組みを進めています。
2017年4月には、この「安全運転サポート車」を展開するにあたり、その愛称を
「セーフティ・サポートカー(略称=サポカー)」に決定しました。
全ての運転者を対象とした「サポカー」と、高齢者を対象とした「サポカーS」に分かれます。
高齢者向け「サポカーS」は、対物や対人に対する被害軽減のための自動ブレーキ機能、
ペダル踏み間違い時の加速抑制装置、車線逸脱警報、前照灯自動切換え機能などを備えています。
客観的な基準による分類を行う事で一般の消費者が自動車を購入する際に、安全機能の判断が
やりやすくすることになります。また、高齢者向けにはこれらの機能を備えたクルマしか運転させない限定免許制度も遡上にのっています。
実は今年、後期高齢者の仲間入りをするため、認知検査や運転の技能チェックが行われ、何とか免許更新を行うべく準備しました。こうしたタイミングで、自動車のディーラの営業さんが家に来て、盛んに様々な安全装置を装備したサポカーSを勧めにきました。最近特に今年になり高齢者の運転した車での死傷事故の報道が多くなり、さらに私はギランバレーを患い筋肉の動きも未だ本調子ではなく、心房細動の手術をするなどと高齢化以外のリスクも多いので、娘からは運転免許の返上を勧められていたのです。未だ大丈夫と更新手続きを行っていました。そうしたタイミングでサポカーを勧められたのですが、営業トークとばかりに相手にしていませんでした。
断る理由を見つけるべく、安全装置とやらの実車実験をやらせてほしいと申し出ました。そうしたところ、
営業さんから自分が運転するので乗って体験することは可能とのことになり、ブレーキとアクセルの踏み間違いテストは環境がないのでちょっと困難だが、低速走行での固定した壁などでの自動ブレーキの確認を試乗車で行うことになりました。家の車庫でどこまで近づいたら停止するかの確認を行いました。
この体験で性能や動作状況が納得できたので、サポカーSの購入を決めました。
このサポカーの機能は各自動車メーカが実装して、既に販売されています。危険状態を把握するドップラーレーダーやソナーによる障害物の検知、画像処理、さらにはブレーキ操作や、全体のシステムと多岐に亘る技術を統合して、実現していることは容易に想定できます。この中の一つに最近の電気自動車やハイブリッドカーなどで走行時のブレーキで発電する回生制動発電ブレーキと摩擦によるブレーキを組み合わせて衝突回避減速を行う
特許第6332181号「車両制御装置」が目を引きました。回生制動ブレーキを停止すると運転者に違和感を与えるので、二つの摩擦ブレーキのタイミングを制御して減速することで衝突を回避するアイデアです。
これからの時代の課題を、きめ細かく対処する発明ではないかと思い、ご紹介させて頂きます。