コラム

カラーバリアフリー

この話題は取り上げるべきかどうか迷っていたのですが、程度の差はありますが多くの人が、こうした異常を感じるとのことで、皆さんにも理解して頂ければと思い取り上げることにします。

最近は多くのカラーバリエーションの品揃えを誇るユニクロもそうですが、テレビやゲームもフルカラー時代と言っても過言ではありません。カラフルなコンテ ンツを使った宣伝などのプレゼンテーション資料が作られています。しかしながら、そのカラーを識別しにくい方々が相当数おられるというのです。

実は私もセミナーや講演で、パワーポイントを使ったプレゼンテーションを作る機会が数多くあります。液晶の進化で高精細のカラー表示が可能になり、インク ジェットプリンタで木目細かいカラー印刷が家庭にまで浸透し、用意する資料もどうしてもカラフルにしないと見栄えが悪いとカラー化します。ところが、ある 団体で講師を頼まれた際に、カラーバリアフリーの色使いを心がけるように指摘されたのです。それ以来なるべく、色でなくとも識別できるプレゼンテーション 作りに努めてきました。

この話をしたところ、今まで、まったく気付かなかったのですが、会社の身近な人からこんな話を聞いたのです。カードゲームのUNOというものがあります。 青と緑と赤のカードを取りっこするのですが、同じ色や数字を重ねて場に置けるルールですが、この人は緑と赤の識別が光の加減で出来ないことがあり、同じ色 だと思い赤のカードに緑のカードを重ねてしまいました。色が違うよ、良く見てよと指摘されたというのです。当人は笑いを取ったんだよと軽く流したそうだ が、実は色覚に多少とも異状がある人、特に緑と赤の識別が困難な人が少なくないそうです。

通常の色覚を持った人は、強調をする際に、赤色を使う傾向があるのですが、これが必ずしも強調として働かないケースがあるのです。学校の黒板が目に優しい として、緑色になってから久しいですが、緑色の(黒)板に赤のチョークで重要な事項を書かれたらたまったモノではありません。書いている文字や図が背景と 識別できない人がいるのです。赤と緑の識別がしにくい人は日本人の男性22人に一人といいますから、相当の割合です。ひとクラスに一人はおられるかも知れ ないのです。女性は600人に一人といわれます。フランスや北欧の男性は10人に一人という説もあるのです。

こうした色覚に異常を持つ方にも、やさしいプレゼンテーションとしては、色を一定の模様に変えるなどの工夫がなされます。色ごとに地紋を変えるわけです。他には明度や彩度の異なる組み合わせを考えればカラーバリアフリーを達成できます。

人にやさしい工夫は特許にも登場しています。特許第4424004号「グラフ表示方法、グラフ表示プログラムおよびグラフ表示プログラムを格納した記憶媒体」は、カラーのグラフなどで色ごとに予め決めておいたモノクロパターンを表示させるのです。

カラーバリアフリーになっているかどうかを判断する簡単な方法は、出来あがった資料をモノクロで印刷しても識別力があるかどうかでチェックできます。

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