カカオポリフェノール
なんでも動脈硬化の原因となる「低比重リポタンパク(LDL)」が体内で酸化するのを防止するものに、ポリフェノールという物質があるそうです。この「ポリフェノール」が、赤ワインに多いとされているのです。
私は、どこかで耳にした「赤ワインが、コレステロールを下げる作用がある。」といった話を信じ、どうせアルコールを摂るなら「赤ワイン」と決めて毎日のように飲んでいたのでした。ところが、週に二回は休肝日を設けろと、お医者さんにいわれてしまったのです。
そんなおりに、赤ワイン一杯分の効き目が、チョコレート一枚で、摂取できるというので、休肝日だけでなく、チョコレートを食するようになってしまいました。チョコレートには、赤ワインの16~20倍ものポリフェノールが含まれているのだそうです。
日本チョコレート・ココア協会の健康講座によりますと、チョコレートやココアに含まれているカカオポリフェノールが病気を引き起こす原因の活性酸素の働きを抑えるとの説明がありました。
動脈硬化の進行を防ぐ、がんの予防にも役立つとの説明もあり、美味しいチョコレートを食べるだけで、健康になれるとしたら、こんな宜しいことはありません。
お菓子メーカからもポリフェノールたっぷりのチョコレートが発売され、食べると健康に良いなどとうたわれたモノが登場したのです。ミルクチョコレー トでもポリフェノールは含まれていますが、ビターチョコレートとかブラックチョコレートといわれるカカオの含有量が多いチョコレートの方が良いそうで、正 に良薬口に苦しというように少し苦味の増したブラックの方がカカオの含まれている量が多くなっているようです。
しかしながら、市販のココアやチョコレートなどのカカオポリフェノールの含まれている量はさほど多くなく、果物や野菜中に含まれる植物ポリフェノー ルも抗酸化作用、抗腫瘍、抗ストレス、発がん防止などの生理効果を発揮するまでに摂取するには大量にとらねばならないのが現状なのだそうです。カカオポリ フェノールに含まれるテオプロミンを多く摂取すると気分が悪くなるため、大量に飲食物に含ませることは出来なかったのだそうです。
そこで登場したのが、ポリフェノールの含有量を多くした組成物の作り方の特許です。簡単にいえばポリフェノールを含む植物を溶かして抽出し、イオン交換樹脂を介在してテオプロミンをイオン交換樹脂に吸着させる製造方法なのです。特許第5448852号「ポリフェノール高含有組成物の製造方法および製造装置」。こうしてできたポリフェノールを含んだ組成物は、チョコレートだけでなく様々な飲食品や医薬品にもカカオポリフェノールを沢山含ませることが可能になるのです。
カカオポリフェノールにGABA(y-アミノ酪酸)を一定量含めた集中力を向上させることができる食品も特許になっています。特許第4041020号「集中力向上食品」です。カカオポリフェノールの分野はまだ未だ楽しみがありそうです。