インフルエンザ
インフルエンザは流感(流行性感冒)ともいわれ、ウイルスによって起こる風邪の一種です。毎年のように暮れからノロウイルスとともに大変はやります。はやり物好きといわれている私もあまり歓迎できる病気ではないので、毎年予防注射を怠らないように努めています。
昔は、会社のお医者さんが、のどの腫れと症状を見て急いで飛びのいて、何しろ感染が強いので安静に寝てなさい、水物を摂りなさい、頭を冷やしなさい、栄養 を摂りなさいとの注意をうけました。最近は有効な薬が相次いで発売され、悪化は防げるようになったのです。インフルは、なんとギリシャ時代から知られてい たそうで、1847年の流行ではロンドンで25万人もの死者を数えたこともあるといいます。恐いですね。
日本でも、江戸時代後期になると古書に登場し、風邪(ふうじゃ)や感冒などと呼ばれたインフルエンザの大流行が記録されているのです。「お駒風」「谷風」「お七風」などの名前がつけられ、全国的に猛威をふるい、多数の死者が発生しました。
最近の研究によると、緑茶に含まれる「カテキン」がインフルエンザの感染予防に役立つとの実験結果が確認できたとのニュースがあります。昭和大学医学部の 島村忠勝教授のチームが培養細胞に、普通のお茶の4分の1の薄さの液をウイルスに垂らしたら、すべての型のウイルスに効果があったというのです。埼玉県立 がんセンターの菅沼研究員はカテキンが、細胞の自殺である「アポトーシス現象」を引き起こすことを突き止めたというニュースも伝わっています。昔からコレ ラに紅茶、寿しと一緒に濃いお茶を飲むことが殺菌作用を奏したそうで、生活の知恵だと島村先生も指摘しているとか。
そんな話を耳にして、私も何年も前から「緑茶」を、毎日何杯も飲むことにしたのです。ウーロン茶で湿したウエットティッシュを買い求めたことがありました が、殺菌力があるとうたわれていました。紅茶でもウーロン茶でも緑茶でもカテキンが含まれているので、それなりに効果があるのでしょう。
このカテキンはポリフェノールの一種だそうで、カテキンを含んだ薬剤が結構たくさん出願されています。ずばり「インフルエンザウイルス感染予防剤」(特許第2727471号、三井農林と島村忠勝教授の共同権利)、「抗生物質耐性微生物の薬剤感受性増感剤」(特開平8-26991号、呉羽化学)などがあります。
こうしたカテキンを主成分とした薬剤の応用品も、いくつか登場しています。風邪を予防するための「うがい用コップ」(特開平10-5252号、 松下精工と三井農林の共同出願)はちょっと面白い概念です。カテキンを含んだ茶ポリフェノールをコップに付着させたもので、水を注ぐだけで、うがいができ るコップなのです。折りたたみ式にすることもできるので、使い捨て感冒予防コップで、いつでもどこでも手軽にうがいができるという訳です。感冒予防かどう かは分かりませんが、「美白化粧品並びにその成分の製造方法」(特開平6-40883号、鈴与)も出願されています。