アジサイ
日本各地が梅雨に入り、時を同じくして咲く花にアジサイがあります。漢字では紫陽花と書きますが、紫を基調にして最近では様々な色や形の花の種類が出てきて、美しさを競っています。晴れても良し、雨にぬれれば一層良し風情がありますね。
毎年のように、ただ美しいなと思い庭にも植えています。
しかし、今年はある歌に出会って、アジサイの見方が変わってしまいました。
2016年3月発売の島津亜矢さんの唄う「阿吽の花」です。アジサイは八仙花とも呼ばれるように咲き始めは白ですが、やがては七色に変わってくると言われています。この辺の変化を人生の辛苦を乗り越える二人にたとえて詩が出来上がっています。
そして曲の方も変化にとんだ曲になっています。
実は私は、少し歌に興味を持ち教室に通っています。歳を取ってからの発声は厳しいのですが、首や肩の動きを体操でほぐしながら、発声を練習するボイストレーニング法です。腹式呼吸が良いとか、色々と言われておりますが、輪状甲状筋などの喉の筋肉を鍛えることが大切なのだそうです。筋肉をやわらくすることで、喉で出していた声が、横隔膜の動きで発声するようになるというのです。吐く息が生体を動かし、喉、口、鼻の空間の共鳴で声になる。唇、歯、舌の形で異なる音になるという発声の仕組みをしっかりコントロール出来れば、心に響く声(音)を出せるようになるというのです。
低いダミ声のような濁ったおじさんの声のチェストボイス、裏声と言われ乙女のような甲高い頭に響くヘッドボイス、そしてその中間のミドルボイスが操れれば、美しい響く声が出せることになれるそうです。目指せ人間スピーカです。
先の「阿吽の花」はこれらの声の変化を、求められる曲で、歌のトレーニングにはもってこいなのではないかと私は勝手に理解しました。
そして、こうした歌をしっかりと誰が歌っても同じように聞こえる、音程の高さや発声の長さ、強弱、そして休む時間などの約束事を書いてあるのが楽譜です。この楽譜通りに音が出せれば、だれでも同じように聞こえるわけです。
この楽譜を読んで、その通りに歌うことができればいいのですが、私は、ちゃんと声が出せないし、歌えないので、トレーニングを受けているのです。
楽譜の歴史をみると、古くは賛美歌などの楽譜が、紀元前3世紀ごろには石板に刻まれていたそうで、西洋の音楽で五線譜が登場するのは9世紀ごろと言われています。
1オクターブは4本なので四線の歴史が長く、音域の広い鍵盤楽器には7から8本ひかれたモノもあったそうで、五線譜に落ち着いたのは17世紀になってからです。
こうした楽譜の歴史を見ていたら、驚くことに1575年にエリザベス1世が、トーマス・タリウスとウイリアム・バートの楽譜の独占印刷権を与えたとする記録がありました。つまりこうした印刷などの分野では、工業的な特許権とは異なる特許権ですが、既にあったようです。現在のような産業的な財産権の始まりであるとされるイギリスの特許第1号が1617年ですので、40年も遡る時期でした。