ゆるキャラ
イベントや宣伝にキャラクターを使い、印象を高めることは昔から行われていました。企業のキャラクターとして私の記憶に残っているのは「ソニー坊や」です。ソニー株式会社のキャラクターで、岡部冬彦の漫画「あっちゃん」のキャラクターを使用して商品拡販及び社名の浸透を図るために使われていたものです。企業のみならず、ご当地キャラクターは以前から存在しており、地方の各種イベントなどに用いられ地方自治体を中心にご当地キャラクターが作られて宣伝活動に使われています。
こうしたキャラクター達を着ぐるみにして登場させてきましたが、ゆるいキャラクターの着ぐるみ達を総称して「ゆるキャラ」と名付けた人が、イラストレータの「みうらじゅん」さんです。
みうらじゅんさんは、キャラクターが「ゆるキャラ」として認められるための条件として、以下の三条件を挙げているそうです。
1.郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること。
2.立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること。
3.愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること。
全国にどのくらいの数が登場しているのかは、定かではありません。ゆるキャラブームと言われて久しいのですが、2010年からは毎年ゆるキャラグランプリーなる催しも開催され、人気投票などが行われています。
ゆるキャラがニュースなどに登場した切っ掛けは、平城遷都1300年祭の「せんとくん」ともいわれております。仏像を模したキャラクターに鹿の角を生えさせたような形で、かわいいとか、けしからんとか色々言われましたが、奈良県が登録商標第5171244号などを、ストラップやキーホルダー文房具、被服、遊具、飲料など多くの商品区分で登録しています。
全国的に人気があったり、知名度が高い「くまモン」は、熊本県が登録商標第5540075号他で30以上の商品区分やサービス分野に登録しております。彦根城に因み兜をかぶった「ひこにやん」も、追っかけさんが登場するほど著名になりましたが、彦根市が登録商標第5104693号などを権利化しています。
2013年の、ゆるきゃらグランプリーの1位である「さのまる」は佐野市が登録商標第5487233号他で17の商品区分で登録しています。
最近のゆるキャラの代表ともいえる「ふなっしー」は、地方の市町村ではなく、個人の北見健二さんが商標の出願(2013-102156号他)をしています。この北見さん本業は家具屋さんだそうですが、着ぐるみの「ふなっしー」の中に入っているらしいと話題にもなっています。
ところで、「ゆるキャラ」自体も登録商標第4821202号などとして登録になっています。有限会社みうらじゅん事務所(一部は扶桑社と共同)で、10以上の商品区分で登録されていますので、安易に使用することはできません。