クマが人里に
この数年は人里に現れるクマの出没が頻発して、近頃は人を襲う頻度が多くなり、都市部にまで出現することが話題になっています。
十年以上前には、クマの生息領域に野草の採取などで人が入り、突然遭遇することで臆病なクマを驚かせたり、子供連れのクマに遭うと子を守るがために人を襲うことがあるので注意したほうが良いとされ、クマよけの鈴を持参することが推奨されていました。
私も若い頃に山登りの途中で尾根道を歩いていた際に、強烈な野獣の匂いがして、同行者が言うのにはクマが通った後だと言われ、警戒しながら進んでいった経験があります。
その頃は未だのんきなもので、山奥のペンションに泊った際には、近くの猟師が捕獲したクマ肉を入手したけれど食べないかと言われ、興味本位で食べたことがあります。
油がのっていて金網の上で焼いたら炎が立ち上がるほどでした。
味は覚えていませんが・・・
ところが、近年は人里どころか、市街地の学校や工場の敷地に出没して、脅かしてもいない人に、襲い掛かる光景が頻繁にニュースに登場する状況です。
私が勤務していた地方の郊外にある大学の周りを流れる川にクマが現れたとの新聞記事を目にしました。
当時、昼休み散歩をしていたところなので驚きました。
後で聞いたところでは、学校の構内にも入ってきたとのことでした。
山からは離れていても、山からの流れに沿って川の中をクマが歩いている内に、市街にまで辿りついてしまうとのことです。
以前はドングリなどの山の木の実を食することが普通でしたが、その内に人里の畑や、住宅の庭の木の実の味を覚え、あの体重を満たすために苦労しないで食べ物に在りつけた経験を活かし、彼らにすれば安易な食料調達の方法を学習してしまったと説明する専門家もいます。
クマの体毛に残存する元素を分析すると、いつどのような食料を食べたのか分かるそうです。
ある研究者の分析では時期ごとに食事の中身が変わったといいます。
人に害を加えた加害個体では、前年の冬眠前の毛先に残る元素を見ると10月から冬眠明けの6月までの時期に食していた食料は、木の実などを食べていた通常の個体と同じでした。
ところが毛根に近づく7月下旬から急激に、人由来の餌が増加していたことが分かったそうです。
つまり、人の残存物などの食料を覚えた個体が、人を襲う恐れが増加していることを示すものであるというのです。
クマなどの有害な野生動物からの被害を防止して、人の生活領域に近づくのを検知し、追い払う装置の開発が進んでいます。
獣害防止安全インフラ威嚇警報器が、福島県にある日本遮蔽技研から販売されました。
もともとは東日本大震災を契機に設立された会社で、「住み続けられるふる里 安全安心なまちづくり」をモットーに掲げ、放射線遮蔽技術、放射線測定技術、レーザ応用技術、画像認識AI技術を手掛けている会社です。
会津大学が特許を取得した特許第7351459号「野生動物検出装置」(2023年9月19日登録)の発明を実用化した次世代危機管理システムです。
インフラの整備されていない地域でも動作させるため、低電力状態にあるカメラが動体を検知し、画像処理を行います。
撮影画像でクマやイノシシなどの有害野生動物と認識された場合に、通信モジュールを待機から動作状態にして通報データを送り、必要な威嚇などの処理を行う発明を実用化したのです。

