コラム

ビジネスモデルの転換

独占の在り方で最近感じた動きがあります。
どうも、著作物の取り扱いが、SNS時代に変わって来ているのではないかと思われるのです。

先日ある歌手の20周年コンサートに行ったおり、以前はコンサートの始まりに先立ち、来場者には録音録画を固く禁止するとのアナウンスが流れるのが通常でした。
この日はスマフォなどでの録画や写真撮影はご自由にどうぞと言うのです。

そして個人的にと断っていたが、SNSなどにドンドン投稿して欲しいとまで、歌手が話していたのです。
20年記念コンサートでは、敢えて録画や写真の撮影を認め、さらには自らの作詞作曲した曲とは言え、この日のコンサートの内容は、結果としては著作権主張をしない旨宣言したことになります。
わざわざ撮影時に他人の映り込みには注意してくださいなどと言って、投稿を奨励していたのが深く印象に残りました。
20年活動した記念の日だから鷹揚になったのかなと感じていました。

もともとは路上ライブを中心に活動してプロの道に入ったとのことで、20年を記念してこれからは路上ライブを再開するとの宣言までありました。

その後、別件ですがNHKの番組で特集が組まれていたのですが、最近新曲を出していない70歳を過ぎた歌手が取り上げられていました。
そろそろフェーズアウトの時期かなと思っていたら、日本だけでなく、世界の十数拠点を巡るツアーが開催され、何れの会場も満員との事で、今まで日本国内だけでの活動しか経験したことがない歌手なのにと、当人が驚いて話していたインタビューがありました。

この歌手のSNSにアップされた動画を見て、ある海外の方が、歌手の魅力を深掘りした投稿をきっかけに、真似して歌った動画を投稿する人が増加したらしいのです。
全世界での再生状況を分析して、視聴者の多い拠点でのコンサート開催を計画して実現したと言うのです。

最近のSNSでは、視聴した番組や、検索した履歴をもとに、他のコンテンツを紹介して誘導するサービスが沢山あるために、興味を抱きそうな内容にどんどん嵌まり込んで、スマフォを使用する時間が増えてきているとの声も聞きます。
関連コンテンツへの誘導が、新たな顧客を開拓して、さらにはネズミ算的に視聴が増え、新たな社会現象や新しい形のビジネスを創造させるきっかけになっているのです。

その昔は、著作物のコピーを徹底的に取り締まり、何とかオリジナルを購入させることに躍起になっていた筈です。
ところが、音楽などの著作物もCDなどの媒体での販売よりも、インターネットを使用したサブスクといわれる定額サービスを利用して、自らの購入物として保管しないで、必要な時必要なモノを視聴する人が増加しています。

日本では音楽関係の団体、日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、日本音楽出版社協会、日本レコード協会、コンサートプロモーターズ協会の5団体が、2023年12月に一致団結して、CEIPA(一般社団法人カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会)を設立しています。
日本の文化芸術産業の活性化を促し、グローバル化、ディジタル化に対応する、新しい時代の流れに沿うように合同して新しいビジネスモデルを模索しているのです。

著作権をめぐるビジネスモデルの転換が、さらに進んでいくのではないでしょうか。

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