そよ風 (No.396)

東方幸男

2018.09.18

エッフェル塔

パリのシンボルとして建ててから約130年も経っているのに、
毎日訪れる人が絶えないのがエッフェル塔です。
実は私は上ったことがなく、遠くにから眺めただけなのですが、あの美しい姿は今も健在です。

 

エッフェル塔は1889年のフランス革命100周年を記念したパリで開催された万国博覧会(第4回)の
シンボルタワーとして建設されたものです。万博にシンボルのタワーがその後も建てられていますが、
たぶん画期的なことだったのでしょう。

 

1886年に万博の目玉となる建築物のコンペティションが行われたそうですが、美術館の提案とともに300メートルもの高さの鉄塔を建てる(エッフェル塔)の二つの案が残ったのです。当時のパリにはノートルダム寺院をはじめとする由緒ある建物、ルーブル宮殿、凱旋門などの美しい建物が数多くあったのですが、それらをはるかに超える高さの塔を建てるという話は、ばかげている「バベルの塔」だと酷評する人が多く、作家、画家、彫刻家、建築家がこぞって反対の署名や,声を上げ、芸術と歴史あるパリも汚すものだという抗議がされたそうです。建築反対派の作家のモーパッサンは完成した後には、エッフェル塔の二階にあるレストランに通い、
「ここが忌々しいエッフェル塔を見なくて済む唯一の場所だ」と言った有名な話が残っています。


万博の開催の趣旨からも金属産業の象徴として、独創的なシンボルになる独創的な形の塔が採用されることになったのです。当時の建築物の高さとしては各国の教会の塔が高さを競っていたのですが、アメリカのワシントン記念塔が1884年に完成し169メートルで世界一の高さを誇っていました。
この高さを一挙に抜いたエッフェル塔は大変な話題になったそうです。

 

こうした高さの建築物を平らなところに立てるために、4つの基礎となる台足を作り、夫々の基礎から鉄骨で
フレームを作り、組んでゆく構造を提唱し、強風にも耐え、重量物を支えるあのような形が設計されたのです。出来上がった構造は、今までの世の中に存在しない美しい形状になりました。

 

このエッフェル塔そのものの形が特許になっています。フランス特許第164364号です。実はこの特許の明細書をあるフランスの特許事務所を訪問した際に所長さんの曾爺さんの先代の所長が手続きしたとして、お土産に頂いたのですが、社内で回覧したら、戻ってきませんでした。コピーを取ったものを回すべきだったと反省しています。

 

フランス特許庁のデータベースにもどうも存在しないようで、実物の図面や構造物の詳細な説明ができないのは残念ですが、歴史的なユニークな構造物として特許出願され特許化されていることだけは事実です。発明者はエッフェル、ヌギエ、ケクランの3名で1884年9月18日に登録になっています。

 

蛇足ですがイギリス特許の第1号も肝心な技術的な説明のページがなく、世界で初めての電気回路を使ったエニアックコンピュータのアメリカ特許も見当たりません。

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