そよ風 (No.377)

東方幸男

2017.12.01

改めて特許情報

研究者や技術開発を担当する人にとって、設計の効率化やニーズの把握、技術の動向を見ることは
日常的に行われていることでしょう。そうした技術情報の一つに知的財産関連情報、中でも特許情報は
有効な情報源になることはご承知の通りです。


研究開発に携わる人は、担当している技術に関係した学会発表や学会誌などの論文を日ごろからチェック
することを怠りません。また、様々な業界雑誌や業界新聞も欠かせない情報源になっています。
最近ではインターネットを使った技術情報の発信も少なくありません。どうしても日ごろから様々な情報に
接する機会が多くなっていることでしょう。


しかしながら、これらの情報には少なからず情報を発信する側の有形・無形の管理や制限があるのです。
各企業では発表する内容を細かくチェックして、この内容で現在発表する会社にとってのメリットなど
事細かくチェックして、一定の差し支えない妥当な内容だけを発表する管理・監視体制を整えているところが
数多くあります。


また、こうした社内の事情を加味した技術の内容に留まらず、発表する媒体や発行機関で定められた制約も
あり、どうしても文字数や紙面の制限があり、内容的には不十分でも止むを得ず制限されたボリュームの中に
留めなければならないことも出てきます。


これに対し、特許情報はその技術内容をその分野の通常の知識を持つ人が、理解でき再現して実施することが
できるまで説明することが求められます。技術の内容を理解してもらうためには、文字数や図面などの制限は
ありません。会社の都合でそこまで詳細に書くことはないだろうとする判断は働きません。
したがって、相当具体的で細かい技術的な説明がなされています。技術の開示といいますが、特許情報を
読んで、その技術分野の人に理解できないことが無いように明確な表現をしなければならないのです。
こうした特許情報を技術情報としての活用をしない訳には行きません。


事業を推進する立場に立てば、他社との重複研究を避けることも望まれます。このためには他社の
開発動向や権利の取得状況の的確な把握が必要です。 さらに知的財産権は、独占禁止法の例外として、
権利期間中は技術やビジネスを独占的に実施できる権利です。このような独占権を持っている他社(他者)の
技術を侵害してしまうことを、故意でなくても知らないで開発することは許されません。

また、研究開発の成果は商品(製品)として結実することは当然です。一方で人・モノ・金をかけた開発の
成果を着実に独占権として取得して、権利を確保していくことが求められます。 
開発のリスクを最小限に抑え、ビジネスを効率よく推進するために、同じ技術が存在しないかどうかを、
特許情報を使い確認していくことが求められるのです。


この特許情報特有の充実した技術情報としての価値を、改めて設計・開発を推進している当事者に理解して
もらうためには、日ごろから新聞雑誌などと同じように身近に特許情報に接することができる環境を作って
おくことが必要です。

特許庁では、プラット訪ねてパット所望の情報が出てくる特許情報プラットホーム(J-PlatPat)を
提供しています。もっと気軽に活用してみることが大切です。

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